マサラナイトも大盛況で絶賛公開中の『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』に続いて、ボリウッドの正統派ジャンルムービーの傑作4本を集めた特集上映「ボリウッド4」が20日よりスタートしました。昨年の『ロボット』『ラ・ワン』公開に続き、いよいよ新たなインド映画への注目度が高まっているようです。昨年春のインド映画特集で噂されていた作品たちが、やっと観られるのもうれしいところ。この「ボリウッド4」の作品たちとこれから公開予定のインド映画をご紹介します。
ボリウッド4では、ボリウッドが誇るトップスター「3人のカーン」こと、シャー・ルク・カーン、サルマーン・カーン、そしてアミール・カーンの主演作がずらり。まずは、甘いマスクにマッチョなボディが逞しいサルマーン・カーン。007ばりの凄腕スパイでありながら、純情で愛のためにすべてを捨てる男を演じる『タイガー 伝説のスパイ』は、昨年のインドでナンバーワン・ヒットを記録。歴代でも『きっと、うまくいく』に次ぐ2位の興行成績を収めている人気作品です。
『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』
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続いては「キング・オブ・ボリウッド」の異名を持つシャー・ルク・カーン。今回は「闇の帝王」という裏社会のドン役を颯爽と演じたクライム・アクション『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』と、一途で切ない愛を貫く男を2つの表情で見せた王道ラブロマンス『命ある限り』の2本を上映。まったくテイストの異なる作品ですが、さすがシャー・ルク。それぞれのキャラクターにぴったりとはまっています。特に『命ある限り』では、はつらつとした若き日の主人公と10年間危険と共に生きて来た孤独な主人公を演じ分けており、深みのある演技が堪能できます。ぜひ、両作品ともお楽しみください。
シャー・ルク・カーンが初めてキスシーンを演じた『命ある限り』
そして、最後に登場するのがアーミル・カーン。インドの名門工科大学で同室となった3人組が育む友情と恋模様をユーモラスに描き、卒業後に行方不明となっていた主人公を探し出すと実は…という、大変ユニークな物語。「アール・イズ・ウェル(きっと、うまーくいく)」という言葉がすべてを包み込む、この痛快な青春グラフィティは、なんとインド映画歴代1位の興行成績を収め、ハリウッドやイタリアでもリメイクが決定しています。待ちに待った公開となる本作は、先の3作の上映後、5月18日より全国拡大ロードショー予定です。
第3回したまちコメディ映画祭 in 台東で『3バカに乾杯!』というタイトルで上映され、 話題を呼んだ『きっと、うまくいく』(これが観たかった!)
さて、この「3人のカーン」は実は同じ1965年生まれ。決して若くはありませんが、20年間もトップスターの座に君臨している実力はさすがです。そんな彼らと共演する女優陣にも注目。『タイガー 伝説のスパイ』でアクションに挑戦し、『命ある限り』では恋する女性をしっとりと演じるのはイギリス人とのハーフ女優、カトリーナ・カイフ。同じく『命ある限り』でシャー・ルクに横恋慕するのは、助演女優賞を受賞したフレッシュな若手女優アヌシュカ・シャルマです。前作に続いて『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』に出演し、インターポール捜査官としてハードなアクションを披露するのは、ミスワールド出身の美女、プリヤンカー・チョプラ。ちなみに、本作には人気スター、リティク・ローシャンもカメオ出演しています。『きっと、うまくいく』で主人公と恋に落ちるのは、映画界の名門一家出身のカリーナ・カプールです。
「ボリウッド4」に続いて6月下旬より公開予定なのが、アモール・グプテ監督の『スタンリーのお弁当箱』。事情があってお弁当を持って来られない少年が、食い意地のはった国語教師にいじめられながらも、友人たちに助けられ、自分の力で未来を切り開いていくという物語。少年たちが主人公の本作は、監督による子どもの映画ワークショップを通して撮影されており、子どもたちの自然で生き生きとした表情が魅力です。ちなみに、意地悪な国語教師を演じているのは監督本人。主人公の少年を、監督の息子パルソー君が演じています。6月には父子で来日PRも予定されています。
怒濤の公開ラッシュとなった2013年前半ですが、後半にも目玉作品の公開予定があるとのこと。どんな作品が飛び出すのか、発表を楽しみに待つとしましょう。
▲インド映画特集2013 ▼インド映画特集2012 ▼ファラー・カーン監督インタビュー
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