Q:引退前の15年前と今ではインド映画界がどのように変わったか、現場でのエピソードもあったら教えてください。
シュリデヴィ「たしかに多くの変化があります。今はとても組織化されているし、特に専用バンがありましたね。昔はそんなバンはありませんでした。俳優たちは木陰に行って着替えたものです(笑)。それは冗談だけど、とにかく今はすべてがシンプルに分業化されていて、どのセクションでも違う人たちが面倒をみてくれますね。脚本も、撮影前にちゃんとセリフの入った脚本が渡された。以前にはなかったことです。そして音声。この映画ではアフレコをしていません。同時録音は演技の質を高める上でも大きな助けとなりますね」
Q:この脚本は自分のために書かれたような気がしたとのことですが、どんなところが主人公と似ていると思いますか?
シュリデヴィ「私はシャシの単純さと繊細さが好きです。また母として、女として、この役柄に共感することができました。それが似ているところ。それに、私はこの役柄が好きなので、生き生きと演じました。これはすべての世代に、子どものような若い世代にも、共感してもらえました。映画を観た後で、母親に電話して謝ったという話も聞いています。私がこの映画に出演した理由も、そういうところですね」
Q:いろんな民族のいるニューヨークでの撮影はいかがでしたか?
シュリデヴィ「シンデー監督は、撮影前にニューヨークで長く過ごしいるので、すべてのロケーション、場所やレストラン、お店など、とても統率がとれていました。技術者はニューヨークの人たちでしたが、彼らの仕事ぶりを見るかぎり、他の文化圏とはまったく違っていましたね。もっときちんとしていて、たとえば夕食の時間になると、後ワンテイクだけ撮りたいと頼んでも『ごめんなさい、時間なので家に帰ります』と(笑)。そんな違いはあったけれども、それも楽しみました」
Q:この作品の後で、大きなフィルムアワードに出席してダンスパフォーマンスをされ、大喝采でしたが、ダンスパフォーマンスと映画では、どちらが楽しいですか?
シュリデヴィ「この2つはまったく別物です。セットで演技をしている時は、監督やスタッフなど数人の人しか自分を見ていません。そして撮影が終るたびに、モニターを見てうまくできたかどうかを確認する。でも、ステージでのパフォーマンスは、まったく違う世界です。目の前に多くのファンや観客がいて、彼らの反応を見たり、だんだん盛り上がって熱狂的な声をあげるのを聴いたりすることができます。それは、素晴らしい体験です。だから、ステージでダンスをする方が楽しいですね」
Q:アミターブ・バッチャンさんと共演した感想をお聞かせください。
シュリデヴィ「アミターブ・バッチャンとの共演はいつも楽しんでいます。彼は偉大な俳優ですし、彼との共演は素晴らしい経験になる。とてもプロフェッショナルで、いつも違う驚きを感じます。バルキから『アミターブ・バッチャンが出演をOKしてくれた』と聞いた時、それは驚いたし幸せでした。この映画に特別な要素を加えてくださり、感謝しています」
Q:インドでは最近、新しい女性監督が盛り上がっていますが、プロデューサーとしてその活躍をどう思われますか。
シュリデヴィ「女性の監督と仕事をするのは今回が初めてでした。性別はまったく関係がありません。シンデー監督はとても自信を持っており、何をしたいかはっきりわかっていました。一緒に仕事をした後で思ったのは、女性監督とはとてもコミュニケーションが取りやすいということ。また、他人を深く理解できます。だから、女性監督たちが歓迎されているのでしょう。これからも女性監督たちは、おおいに活躍していくと思います」
ここで記者会見は終了。フォトセッションの後でハーフタイムがあり、シュリデヴィさんは衣装替えで退場。ゲストを招いたトークショーへと続きます。(トークショーヘ)
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