2009年の台湾大ヒットドラマ「ブラック&ホワイト(原題:痞子英雄)」。劇場ではエピソード1となる映画版『ハーバー・クライシス<湾岸危機>』が2012年に公開されました。そして、その続編となる『ハーバー・クライシス<都市壊滅>』が、いよいよ10月10日より日本でも公開されます。本作は、その後に続くドラマへの伏線にもなっており、ドラマ版で登場するキーパーソンたちがズラリ。また、前作では声の出演(電話の声)だけだったチャン・チュンニン演じるラン・シーインも登場。失踪した父と兄の謎が明かされます。
というわけで、今回はドラマを知っているほど、より深く楽しめる!という構成。タイムリーなことに、公開時期に合わせて「ブラック&ホワイト」のお得なコンプリート・シンプル・ボックスがリリースされます。2012年に特集したドラマ「ブラック&ホワイト」をあらためてご紹介しますので、映画をご覧になる前にぜひ予習をしてください。(ネタバレなし!)
(c)2010 Prajna Works Entertainment Co., Ltd.
「ブラック&ホワイト」は、「流星花園 〜花より男子〜」「戦神Mars」「ザ・ホスピタル」など、数々のヒットドラマとアイドルスターを生み出し、華流ドラマブームを牽引してきたツァイ・ユエシュン(蔡岳勳)監督の作品。監督が育てたといってもよいヴィック・チョウ(周渝民)と本作でデビューした新人マーク・チャオ(趙又廷)をダブル主演に、ヴィック演じるプレイボーイのごろつき(痞子)ザイティエン(在天)と、マーク演じる熱血漢のインション(英雄)という性格のまったく異なる若い刑事の出会いと活躍を描いています。
一見、単純な青春刑事ドラマと思われそうですが、バディドラマの形をとりながらも、第1話からただならぬ事件が発生。映画さながらの本格さは半端なく、スタイリッシュな映像とスピーディな展開、迫力のアクションシーンの連続に、どこまでも解けない謎のドミノ倒し…と、混乱しながらもぐいぐいと惹き付けられていきます。冒頭4話の地下鉄シーンと、ワン・チュアンイーが演じる初めてとは思えない悪役ぶりだけでも、その凄さと作り手の意気込みが伝わってきます。これはまさにハマるドラマ!
(c)2010 Prajna Works Entertainment Co., Ltd.
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南署一の検挙率を誇るウー・インション(呉英雄)は、北署から転属してきたチェン・ザイティエン(陳在天)と出会い、ダブルジョイ(双喜)というコード名でコンビを組む。
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さらに、毎回ラストに起こる衝撃のクリフハンガー。次回を見ずにはいられない怒濤の展開に、台湾では中毒者が続出。放送した公共テレビでは、開局以来最高の視聴率を叩き出し、完全攻略本が出るほどの一大ムーブメントを巻き起こしました。こんなにスケールの大きな物語を、監督は一体どうやって思いついたのか? 構想に3年をかけたという本作は、実際に起きた国家的スキャンダル「ラファイエット号事件」をモデルにしたと言われています。
よい作品は音楽も魅力的。マークも唱っている主題歌「無頼正義」と、重要な役を演じている新人のジェイソン・ツォウが唱うエンディング曲「Perfect Stranger」はとてもかっこよく、いつまでも耳に残ります。音楽を担当しているのは、ジェイ・チョウ作品でお馴染みのタイのミュージシャン、テルサック・ヤンパン。もちろん、映画『ハーバー・クライシス<湾岸危機>』『ハーバー・クライシス<都市壊滅>』でも音楽を担当しています。
さて、映画版のエピソード1はドラマの時代から遡る3年前、まだ新米刑事のインションが暴走しているところからスタートしましたが、今回はその1年半後。続発する爆発事件に、逃がしたはずのシュー・ダーフーも巻き込まれ、彼を助けようと再び暴走するインションに東署のチェン刑事が絡んできます。このチェン刑事を演じているのは、『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』でマーク・チャオと共演したケニー・リン。
気になる登場人物はというと、高雄のハーバーシティにある南署の皆さんはもとより、ラン・シーイン、そして政府高官たちも登場。さらに、武装組織「夜行者」の正体も! そしてもう一人、お馴染みのキーパーソンが、意外なところで登場しています。3Dで撮影された本作は前作以上にスケールの大きな特撮が用いられており、これまた目が離せない展開に。三部作と言われている映画版ですが、『ハーバー・クライシス<都市壊滅>』に続くドラマ版の先の物語、ザイティエンが登場するであろう第三部の完結編をぜひ観たいものです。
▲「ブラック&ホワイト」 ▼「ハーバー・クライシス<都市壊滅>」
▼「ハーバー・クライシス<湾岸危機>」ジャパンプレミア ▼「ハーバー・クライシス<湾岸危機>」
▼2012年のマーク・チャオ インタビュー ▼2012年のツァイ・ユエシュン監督インタビュー
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