『ハーバー・クライシス<湾岸危機>』で来日したマーク・チャオ
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大きく成長した英雄
−マーク・チャオ(趙又廷)
『ハーバー・クライシス<湾岸危機>』(9月8日公開)のジャパンプレミアで来日したマーク・チャオ。2010年の東京国際映画祭でゲスト来日した時以来の再会でしたが、『モンガに散る』以降も話題の映画に続々出演。気さくな中にスターオーラも発する魅力的な青年に成長していました。
特に今回は撮影で忙しい中、セクシーな口ヒゲをたくわえての来日。まずは、その理由からインタビューが始まりました。
Q:おヒゲがすごく素敵ですが、伸ばしている理由は?
マーク「今、ちょうど時代劇(ツイ・ハーク監督の『狄仁傑前傅』)を撮っています。唐の時代の物語なんですが、映画の撮影中で伸ばしています。あごヒゲも伸ばさないといけません」
Q:ドラマ「ブラック&ホワイト」でデビューしましたが、俳優を目指したのはいつ頃ですか?
マーク「もともと、役者になろうとは全く思っていませんでした。実は父(ドラマでも共演したチャオ・シューハイ)が俳優なので、芸能人の家族として、いろいろと辛い経験をしました。なかなか大変だというのもわかっていたし、母もずっと反対していました」
Q:ドラマではお父さんと息が合ってましたよ。
マーク「そうですね。父と息子の関係ではなかったけど(笑)」
Q:演技はまったく初めてだったのですか?
マーク「はい」
Q:演技の勉強でスクールに行ったりはしなかったのですか?
マーク「していません」
Q:アクションも全く?
マーク「特にアクションをずっと前からやっていたということはなくて、ドラマを撮る1ヶ月くらい前にトレーニングをしただけです」
とても自然な演技だったので、俳優を目指していろいろと勉強したり訓練を積んでいたのでは?と思い、しつこく質問してみたのですが、意外にそうではなかったようです。ということは、やはり天賦の才能なんでしょうね。
Q:映画版ではドラマを遡ってエピソード1になっていますが、エピソード1での演技をする上で大変だったことはありますか?
マーク「同じインションを演じるので、シリーズとしては、そんなに大きな変更はできません。ある程度人物に制限があるので、もっと深みを持たせるとか、ここはもっと強烈に演じてやろうとか、テレビよりは嫌な奴という感じで強烈なところも出してみました」
Q:ハリウッド映画のような凄いアクションでしたが、一番大変だったことは?
マーク「なんといっても、この作品は台湾でも初めての大規模な作品で、出資額も大きいので、そういう点からみると、ほぼハリウッド並と言ってもいいかもしれませんが、環境面などでは、やはりハリウッドにはなかなか及びません。その辺を、どうやってクリアするかが大変でした。例えばCGと実写との組合せなどもかなりうまく使って、作品を創り上げなくてはなりませんでした」
Q:怪我はしなかったのですか?
マーク「マイニチ!」
Q:監督は手錠をかけたままのアクションシーンが難しかったとおっしゃっていましたが、ご自分で一番苦労したシーン、またはここを見て欲しいシーンはどこですか?
マーク「自分で一番好きなのは、最初の方で、強盗を追いかけて歩道橋から飛び降りるシーンです。あそこは、車から降りてずっと走って追いかけて、橋から飛び下りるまでを1カットで撮っていて、すごく完成度が高いと思います。それだけ、とても危険なシーンでした。スタントなしで全部自分でやったので、もし、正しい場所にちゃんと飛び降りないと、下は車が走って来るのでぶつかる危険性があったのです。しかも、17か18テイク(実際は19テイク)撮ったので、すごく大変でした」
Q:そのシーンもそうですが、監督から「冗談じゃない!え?まさか!」と思うような要求が、他にもありましたか?
マーク「マイニチ(笑)。監督と僕はほんとうに親しくて、何も言わなくても話が通じ合うような仲なのですが、ツァイ監督は僕の恩師ですし、最初の作品の監督でもあるので、時には父子のような、時には兄弟のような深い関係なんです。だから、監督が何かやってと言えば、断れない。監督はきつい場面ほど、とても気軽にさらっと言うんです。そんな風に言われて、できないと言うのはおかしいでしょ。だから、断れないんです。さっきの橋の上から飛び降りるシーンも『ビルの4階くらいの高さがあるけど、そこからちょっと飛び降りて欲しいんだ。下に時速60キロくらいのスピードでトラックが走って来るから、その上に飛び乗ってね。OK?』そんな風に言うんです(笑)」(一同笑)(次頁へ)
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