2023年8月31日 T・ジョイ PRINCE 品川 スクリーン1
3年半ぶりの来日となったイ・ジョンジェ
9月29日より絶賛公開中の韓国映画『ハント』。1980年代の軍事政権下の韓国を背景に、民主化を唱える動きが活発化し、様々な動きや思惑が渦巻く中、大統領を警護する安全企画部(旧KCIA)に潜入しているという謎の北の二重スパイを見つけ出すため、海外と国内を担当する2人の男が対峙する濃密なスパイアクション作品です。
構想から4年、本作の主演でもあり、脚本と監督を手がけたイ・ジョンジェが公開に先立つ8月末に、多忙なスケジュールを調整してプロモーション来日。ジャパンプレミアが行われたT・ジョイ PRINCE 品川にて、プレミア前に記者会見を開きました。アジクロでは両方を取材しましたので、まずは記者会見の模様からお届けします。
約3年半ぶりにマスコミの前に登場したイ・ジョンジェ。この日のファッションは、淡いピンクのシャツとジャンパーの組合せに、オフホワイトのアンクルパンツと素足に白いスリッポン。カジュアルな中にもオシャレ心が光るスタイルで、爽やかでクリーンなイ・ジョンジェのイメージにぴったりです。まずは、日本語でご挨拶。
ジョンジェ「コンバンハ。イ・ジョンジェ、デス。ヨロシクオネガイシマス」
MC:来日は何年ぶりですか?
ジョンジェ「コロナになる前に来ましたので、約3年半ぶりですね」
MC:初監督作品ですが、普段、俳優業をやられている時との違い、監督業をやってみて気づいたことを教えてください。
ジョンジェ「俳優だけの時は、そのキャラクターに集中することができますが、演出を兼ねるとなると、様々なことをチェックしなければなりません。悩むこともあるし、様々な判断・決定をしなけれならないことが多くありました。俳優だけの時とは、いろいろな意味で違いがあると思いました。
撮影現場に関しては、長い経験がありましたし、演出家の方々とも親しくお付き合いをしていたので、監督の悩みを聞いたり、悩みを分かち合ったりしてきたのですたが、いざ自分が演出をしてみると、俳優に専念している時とは違いましたね」
MC:脚本も4年間温めてこられたということですが、激しい銃撃戦もあり、人間ドラマも見事でした。カンヌ映画祭やトロント国際映画祭など、世界中の映画祭で上映されて話題になりましたが、お客さんの反応はいかがでしたか?
ジョンジェ「シナリオを書いている時から、世界の映画祭に出品できたらと思っていました。もちろん、自分の作った映画を海外の映画祭に出品したいという個人的な希望だけでなく、この映画を通じて伝えたかったテーマやメッセージが韓国だけでなく様々な国の観客に届いて欲しい、観客の方たちとコミュニケーションをとって、話をしたいという思いが強くありました。
この映画には、間違ったイデオロギーがテーマとして描かれています。そのテーマに対する悩みをずっと持ちながら、いろいろ考えながらこの作品を作り上げてきました。海外の映画祭に招待されたことで、ほんとうに多くの海外の方々と触れ合うことができました。カンヌ映画祭だけでなく、トロント映画祭、シッチェス映画祭などで、記者や映画人の方々と、この映画について様々なことを語り合いました。
公開前でしたが、先に映画祭に招待され、多くの方々と出会うことができたので、私の気持ちの中ではすでに「ああ、この映画を作って本当によかった」と思えました。多くの皆さんに共感していただき、この映画が伝えたかったストーリーを皆様に届けることができたことは、本当に意味のあることでした」(続きを読む)
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