Q:映画のために曲をたくさん書いたそうですが、どんなイメージを思い浮かべて書いたのですか? 採用されたのは、自分で気に入っている曲でしたか?
ヴァン「この映画のために作ったのは4、5曲なんですが、その中から2曲も採用されたのでとても満足しているし、うれしく思っています。曲を作る時は、映画の雰囲気とかテーマに沿って監督が表現したいことを想像し、監督と相談しながら作りました。たとえば、監督がアップテンポな曲を欲しがっているのに、悲しい曲ばかり書いていても意味がないので、相談しながら作っていました」
Q:出演者にはミュージシャンの方たちが多かったので、撮影中は話が弾んだのではないでしょうか。音楽の話などもしたのですか?
ヴァン「お互いに歌手なので多少は音楽の話もしますが、主に世間話をしていました(笑)。撮影中は待ち時間が長いので、いくら夢があってもすぐに語り終えるんです(笑)。ずっと夢の話ばかりしていてもおかしいので、世間話で時間をつぶしました(笑)」
ヴァン・ファンといえば、02年のデビューアルバム『范逸臣』で注目を集め、収録されていた「I Believe」(『猟奇的な彼女』の中国語版主題歌)と「Piano」(同名ドラマの主題歌でサザンオールスターズの「旅姿六人衆」の北京語カバー)が大ヒット。当時は長髪のソフトな王子様ルックで、以後、バラード王子というイメージが定着していました。05年頃から本来のロックテイストな楽曲を発表するようになり、この映画に主演したことで、ロック歌手への転身に成功しています。そして「Piano」といえば、同じ「旅姿六人衆」の広東語カバーをヒット曲に持つ香港の歌神ジャッキー・チュン(張學友)も、長らくバラード歌手として君臨していましたが、実は本人はロックが大好き。共に歌唱力があり、ロックなバラードが歌える歌手ということで、こんな質問をぶつけてみました。
Q:この作品のせいで、ヴァンさんはロック歌手というイメージが強くなりましたが、元は「バラード王子」でしたよね? もともとロックが好きなのに、ヒットした曲がバラードだったためそうなってしまったということで、香港のジャッキー・チュンさんもそんなことをおっしゃっていますが、辛かったですか?
ヴァン「まさにその通りで、『バラード王子』というのは会社が僕を売り出すために作った名称なんです。中華圏ではどちらかというとバラードの方が売れるんですよ。なので、し方なく歌っていましたが、僕自身はロックの方が好きでした。ジャッキーさんとも同じ思いですね。すごく辛いというのではないけど、伝えられなかったのかなというのはあります。ちょうど、映画を撮り終わって公開された08年に音楽の会社との契約が切れて、今はフリーで曲を作っています。もう1人の同じシンガーソングライター(Alex/黄冠龍)と組んでグループを作ったので、やっと自分がやりたい音楽がやれるようになりました」
ということで音楽の話に流れて来たので、音楽活動での今後の予定を聞いてみました。
途中で目薬をさしに中座したヴァン。やはり朝一で眠かった?
それとも大きな眼は乾きやすい?(全身を見る)
|
Q:アルバムも出されるそうですが、リリースはいつ頃ですか?
ヴァン「今はアルバムを売るのが大変な時期なので、宣伝などいろいろと考慮しないといけません。いくらいい音楽を作ってもタイアップがないとやはり難しいので、目標としては今年の末か来年の頭にできればいいなと。まだはっきりとは言えませんが、まず3〜4曲のEPを出そうと思っています。アルバムだと10曲以上入れなくてはならず、それだけ時間がかかる。それだけファンの皆さんを待たせなければなりません。それはどうかと思うので、先にEPを出そうと思っているところです」
Q:この作品の後にも『愛到底』など、映画に出演しておられますが、昨年はミュージカルも出演されました。これからも、演技と歌と両方やっていかれますか?
ヴァン「どっちに重きを置くかというより、いい脚本と出会えばそちらを取るでしょう。音楽はずっとやり続けると思います。音楽は自分でコントロールできる範囲なので、マイペースでやっていけますから。でも、たとえば急に来年の2月にいい脚本をいただいたら、行っちゃうでしょう。音楽はやり続けるけど、いい脚本が来たらまた映画もやりたい。まあ、なるようになれです(笑)」
と、最後は演技への熱意も聞くことができました。その後、音楽の方面ではバンド名も発表され(Craze Band/酷愛樂團)、ニューアルバムのリリースが待たれるところ。ヴァンが作詞・作曲を手がけた最新曲「不能没有[イ尓]」はバンドの公式ブログで聴くことができます。そして演技の方では、再びロッカーを演じる『混混天團』が撮影中です。
(2009年9月28日 シェラトン都ホテルにて)
前の頁を読む P1 < P2 ▼ウェイ・ダーション ▼特集 ▼作品紹介
|