2007.7.4
ラフォーレ六本木ミュージアム
(六本木)
アンドリュー・ラウ&アラン・マック監督、フェリックス・チョン脚本という、『インファナル・アフェア』シリーズのゴールデン・トリオが再結集した最新作『傷だらけの男たち』。7月7日からの日本公開直前にジャパン・プレミアが開催され、監督のアンドリュー・ラウと主演の金城武が来日しました。ゲストとして予定されていたもう一人の主役トニー・レオンは、あいにく撮影スケジュールの調整がつかず、今回はビデオレターでのご挨拶でしたが、当初の約束を守るため、公開後の19日に単独来日して舞台挨拶に立ちました。その様子は後ほど、お伝えするとして、まずは4日の記者会見の模様からご紹介します。
金城「皆さん、こんにちは。金城武です。今日は『傷だらけの男たち』の記者会見に、雨の中、来てくださってありがとうございます。よろしくお願いします」
監督「コンニチハ。お会いできて、とてもうれしいです。この新作をぜひ気に入っていただけたらと思います」
ここで、トニー・レオンからのビデオメッセージが上映されました。
●トニー・レオン メッセージ
こんにちは。『傷だらけの男たち』のトニー・レオンです。現在私の次回作『レッド・クリフ』の撮影中です。突然の悪天候により撮影スケジュールが大幅に押してしまい、あいにくそちらにお伺いすることが出来ませんでした。大変申し訳ございません。お伺いできなく残念に思っております。
本作『傷だらけの男たち』は私にとって特別な作品です。なぜなら、初めて本作で悪役を演じたからです。この役を演じるのは非常にやりがいがありました。皆さんも本作を楽しんでいただければ嬉しいです。
アンドリュー監督、金城武さんへのメッセージ
今日一緒に日本にいられなくて本当にごめんなさい。天気だけはどうしようもなく、私の力ではどうにもなりません。私が行けなかった分もどうか2人で頑張ってください。よく働き、よく遊び、すし喰って酒飲んで楽しんで帰ってきてください。最後になりますが、本作で2人と仕事が出来て非常に良かったです。ありがとうございました。プレミア頑張ってください。
日本の皆さんへのメッセージ
『傷だらけの男たち』をぜひ観に来てください。近いうちに、日本でお会いする事を楽しみにしています。
|
メッセージは英語で、ちょっと緊張していたかも? そのメッセージを見ての感想から、質問がスタートします。
司会「感想はいかがですか? トニーさんはこんな人?」
返答に詰まった監督が、マイクを金城くんに譲ります。
金城「いや…なんか、明るいですね(笑)」(場内爆笑)
司会「監督はよくご存じですよね?」
監督「ええ、こんな風ですよ。彼は演技が好きですからね。これがトニー・レオンです」(て、どういう意味?)
司会「この作品の見所ポイントを教えてください」
監督「素晴らしいところは、2人の演技です。ご存じのように、トニー・レオンは初めて悪役に挑戦し、金城武は初めて酔っぱらいを演じます。金城武と言えば美男子ですよね。(それを聴いて、本人は首を横に振ってます)このような役は、2人にとって大きな突破口になったと思います。この辺を、ぜひ見てください」
金城「この撮影チームには『インファナル・アフェア』のイメージがあると思うんですけど、内容はまったく違う映画です。その気分で観るとまったく違うので、新しい映画を観る気分で観て欲しいです。香港で撮影をしたのは、ここ何年間もなかったので、久しぶりに戻って…監督も久しぶりに香港で映画を撮ったとおっしゃっていたんですよ。香港の街を、ここまでもかっていうくらいに撮っていました。真夏の中、お酒をたくさん飲んで、革ジャンを来て走ってました(笑)。その頑張った成果を、観てください」
司会「現場では、本物のお酒を飲んでいたんですか?」
金城「はい。本物しかなかったです(笑)」
司会「現場での印象深いエピソードを教えてください」
金城「毎朝、現場に行くと、僕のグラスと酒があって(会場笑)…で、もう早く飲んどけよって、一人でチビチビ飲んで。リハーサルして、テストして、『はい、次本番行くよ』って言うと、時々監督の方から『おまえ、もうちょっと飲んでこい』っていうオファーもあれば『ちょっと抑えて』っていう、お酒のコントロールをするんで。酔いがどこまでいけばいいか、わからない(笑)」
司会「酔っても、ちゃんと役作りをしてしまうDNAなんですか?」
金城「どうなんでしょうね(爆笑)。DNAに関してはわからないですけど、自分でもわかんないんですよ。どこまで酔えばいいのかわからないし、足りないと嘘っぽく見えちゃうかなあとか、飲み過ぎて、お芝居にならなかったら大変だなあというのもあったので、お酒はやっぱり大変でしたね。でも、お酒っていうアイテムを使えてお芝居ができたのは、ちょっと助かりました。酔っぱらった芝居に対する自信が、ちょっと付いたと思います」
監督「現場では、面白いことは1つもありませんでした。監督としては、脚本を見て、まず命令しました。今まで撮ったどの映画よりも、細かく撮っていかなければならないと全員に注文しました。時間をたっぷりとって、いろんなことを考え、いろんな研究もしました。今までいろんな映画を撮りましたが、今回の映画が一番時間がかかりました。こういうところも、一番大変だったと思います。『インファナル・アフェア』を撮った時は、1日で大体8時間ほど働いていたのですが、今回は13時間か14時間以上は働きました。ちょっと緊張していたのかもしれません。すべてにこだわって緊張していたので、撮影が終わったら、僕自身も傷だらけの男になりました。(会場笑)手、腰、足と、あちこち傷だらけです」
司会「(それを受けて)この日本語タイトルはいかがですか?」
監督「僕そっくりですね。幸い、心は傷つかなくてよかったですが」(続きを読む)
続きを読む P1 > P2 > ▼プレミア | ▼トニー舞台挨拶 | ▼作品紹介
|
|
|
更新日:2007.7.23
●back numbers
記者会見の表記
司会・質問者
監督(アンドリュー・ラウ監督)
金城(金城武)
監督プロフィール
アンドリュー・ラウ
劉偉強/Andrew Lau
1960年、香港生まれ。80年にショウ・ブラザーズに入社。撮影監督として活躍し、ウォン・カーウァイ作品も手がける。91年から監督業にも進出。95年には製作会社を設立。『古惑仔』シリーズをヒットさせた。
『インファナル・アフェア』で香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞。リチャード・ギア主演の『消えた天使』でハリウッドへも進出。多彩な活躍を続けている。
*詳細プロフィールはこちらをご覧ください。
filmography
撮影作品
・霊幻道士2/
キョンシーの息子たち!(86)
・友は風の彼方に(86)
・デブゴンの霊幻刑事(86)
・霊幻道士3/
キョンシーの七不思議(87)
・いますぐ抱きしめたい(88)
・いつの日かこの愛を(89)
・超アブない激辛刑事/
カリー&ペッパー(90)
・チャイナホワイト(90)
・リー・ロック伝/大いなる野望
part 2 香港追想(91)
・リー・ロック伝/大いなる野望
part 1 炎の青春(91)
・妖獣都市/香港魔界篇(92)
・月夜の願い/新難兄難弟(93)
・新ポリス・ストーリー(93)
・恋する惑星(94)
・ミラクル・マスクマン/
恋の大変身(95)
・剣客之恋(03)
製作作品(撮影含む)
・欲望の街・外伝/
ロンリーウルフ(96)
・不夜街/復讐の天使たち(96)
監督作品(撮影含む)
・ラストエンプレス/
西太后(94)
・欲望の街・古惑仔 I/
銅鑼湾の疾風(95)
・男たちの挽歌 外伝(95)
・新・欲望の街 I/
古惑仔 疾風、再び(96)
・欲望の街・古惑仔 II/
台湾立志伝(96)
・新・欲望の街 II/
97古惑仔 最終章(97)
・硝子のジェネレーション/
香港少年激闘団(98)
・風雲/
ストームライダーズ(98)
・レジェンド・オブ・ヒーロー/
中華英雄(99)
・超速伝説/
ミッドナイト・チェイサー
(99)
・狼たちの伝説/
亜州黒社会戦争(2000)
・決戦・紫禁城(2000)
・ひとめ惚れ(2000)
・ダンス・オブ・ドリーム(01)
・拳神/KENSHIN(01)
・バレット・オブ・ラブ(01)
・ザ・パーク(02)
・インファナル・アフェア(02)
・ブルー・エンカウンター(02)
・1:99 電影行動(03)
・インファナル・アフェアII/
無間序曲(03)
・インファナル・アフェアIII/
終極無間(03)
・頭文字D/
イニシャルD THE MOVIE(05)
・デイジー(06)
・消えた天使(06)
・傷だらけの男たち(06)
・阿鼻剣(07)
*チョン・ジヒョン&ジェイ・
チョウ主演で撮影予定あり
関連ページ
・Media Asia Films
・『インファナル・アフェアIII/
終極無間』記者会見(05)
・『頭文字D The Movie』
記者会見(05)
・『デイジー』記者会見(06)
|