2012.8.19 ラフォーレミュージアム六本木
2年ぶりの来日ソロ・コンサートを大阪と東京で開催したケン・チュウ(朱孝天)。今回は自分の持ち歌ではなく、かつてよく聴いていた英語曲からの選曲でコンサートを構成していました。大阪に続く東京では、昼と夜の2公演が行われましたが、昼公演終了後、会場の一角にて簡単なミニ会見が開かれましたので、ご紹介します。
会見ではコンサート会場の椅子を並べなおして、簡単な取材スペースが作られました。ケンが座る椅子の横には、取材陣の録音用テレコをずらっと並べた椅子が。会場に現れたケンが椅子に座ると、目の前にある新旧様々なテレコたちを見て「見ただけで、皆さんの経歴の長さの違いがわかりますね(笑)」。一同、大爆笑の中、会見がスタートしました。
Q:2年ぶりの日本公演の感想はいかがですか? 撮影でお忙しい中、準備はできましたか?
ケン「今までに比べると、今回は疲れた状態で来ました。今年6月から中国で連続ドラマを撮影していて、大体36〜38度、時には40度位の所で撮影しています。ほぼ8〜9時間くらいの撮影で、約2ヶ月間、ずっと休んでいません。同時に、このコンサートの準備もしなければならず、ほとんどが撮影に行って、部屋に戻って、音楽をかけながら練習するという日々でした。ドラマの共演者でとても仲のいい俳優が、すぐ下の部屋に泊まっているのですが、毎日僕の歌を聴いていたとか。煩わせてしまい申し訳なかったです(笑)。ただ、すべての困難を取り払ってこのコンサートを迎えられて、とても嬉しかった。2年間も日本に来ることができなかったので。もしかしたら、もう忘れられているかもと心配しましたが、そうでなくてとてもよかったです(笑)」
Q:今回歌われた10曲の選曲基準を教えてください。最初に歌おうと決めた歌は?
ケン「僕の成長過程の中で影響を受けた10曲を選んでみました。もちろん、10曲だけではありませんが、この10曲はその中で選ばれた曲。すべてに僕自身の物語が盛り込まれています。例えば1曲目は『オズの魔法使い』の「オーバー・ザ・レインボウ」。初めて体験したミュージカル映画で、とても幼い頃でした。何曲かは、恋愛して、失恋して、とても悲しい時に励まされた、そういう背景のある歌です。この機会に、僕の成長過程を皆さんに知ってもらいたかったし、僕自身に影響を与えた音楽を皆さんと分かち合いたかったのです。気に入っていただけるといいですが」
Q:大阪から東京と、久しぶりにファンの皆さんと会った感想は?
ケン「たくさんの方に来ていただいて、とても嬉しかったです。同時に、申し訳ない気もしました。来る機会には限りがあるので、東京や大阪など大きな都市しか選べません。でも皆さんは、僕に会うためにいろんな方法でここまで来なくてはならない。それがちょっと申し訳なくて。実は、可能であれば、僕の本当の願いは、小さな場所でもいいので、日本のあちこちでコンサートを開いて、皆さんに来ていただくのではなく、僕自身が皆さんに会いに行くというスタンスをとりたかったのです。しかし、それは理想で、実現するのはなかなか難しい。ただ今後は、できればこの理想に近づけてやっていけたらと思っています」
Q:それは、俳優としていい作品で皆さんと会うという意味もあるのでしょうか?
ケン「もちろん、ファンとの交流は音楽だけではありません。僕の知るかぎりでは、ファンの皆さんが集まって料理を作ったり、僕のためにパーティを開いてくれているようなのですが、僕自身はそこにいないんです。できれば僕も、そういう活動には一緒に参加したいと思っています。そうすれば、皆さんも嬉しいですよね」
Q:俳優としてターニング・ポイントになった作品はありますか?
ケン「演じたすべての役1つ1つが大切です。俳優の時は、演じる役に没頭しています。その役の中で、いいと思う部分をそのまま自分の人生に取り込むこともあります。最初の頃の「流星花園/花より男子」ですが、西門は女性にとても優しいけれど、この役を演じる前の僕はとてもバカでした(笑)。女の子に対して優しくするというのが、まったくわかっていなかった。この役を演じて、こういう風にすれば女の子に優しくできるとわかり、自分に取り入れました。だから、いろんなすべての役が自分にとっては重要です」
Q:今は俳優として活躍されていますが、このコンサートをきっかけに音楽活動をやる予定はありますか?
ケン「しようと思ってはいるのですが、今はまだ俳優業としての役割が多いですね。もう1つは、音楽を作って行くことが、前より難しくなっている。音楽という業態がどんどん変わりました。ほんとうに自分が理想としている音楽を創るには、まだまだ長い準備期間が必要です。ただ、音楽を諦めたわけではありません」
Q:選曲はケンさん世代よりも上の世代のラインナップですが、どうやって集めたのですか?
ケン「セットリストを作る時は、20曲くらい候補がありました。いろいろ会議をしたうえで、皆さんがこの10曲がいいということで、決まりました」
Q:お昼の公演では、マイクの調整などもしていましたね。
ケン「(コンサートを行う)場所によって、聴こえる音楽が大きくなったり小さくなったりします。バック・ミュージックも。これはよくあることで、コンサートではいつも面白いことが起こるんです。以前、歌いだしたらまったく違う曲で、『止めて』とお願いしてから、歌い直したことがあります。1番ひどかったのは、F4のヴィックですね。ヴィックは途中まで全部歌ったのに問題が発生して、また最初から歌い直しました(笑)。これはステージに立つ者としては最も重要なことで、どんなことにも対処しなければなりません。この前も日本でコンサートが始まる前に、転んで脱臼してしまいました。武道館でした(笑)。いつもは右手にマイクを持つんですが、仕方がないので左で持ちました。こういうことはよく起こるので、慣れています(笑)」
懐かしいF4の武道館公演の話題が出たところで、ミニ会見は終了。すっかり大人になったケンちゃんという印象でしたが、やや疲れてはいるものの、今回の来日コンサートを楽しんでいる様子が伺えました。続く夜公演を取材しましたので、こちらもどうぞ。(公演レポートへ)
▲ミニ記者会見 ▼コンサートレポート
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