監督「先ほど、3階建てくらいの高さの橋からジャンプしたという話もありましたが、あれはまだ高くなかったですね。一番高い所では7階建てくらいの所から飛び下りるシーンもありました。しかも、スタントなしで全部自分でこなしたのです。彼に感謝しないといけませんが、ほんとうにそのおかげでこのようなリアルな映像が生まれたのです。だから、現場でのマークはほんとうにおとなしい男の子でしたよ。(会場笑)
DEANさんとは、長い期間ではありませんでしたが、一緒にお仕事をして、とても印象深かったです。とにかくプロフェッショナルで、日本人ですから当然、中国語を話す時は大変な場面もあるのですが、非常に真面目で、どんなに難しいセリフであっても、僕に対しては『チャンスを与えてください。一生懸命頑張りますから』と。とにかく、完璧なところまでやろうという態度は、ほんとうに素晴らしかったです。また、共演する相手に対しても常に最高のコンディションで臨み、受けの芝居もとてもよくやってくれて、ほんとうにありがとうございました。このようなインターナショナルな映画を撮る時には、共通の言語を使ってやることが大事ですが、彼は見事にこなしてくれました」
寺脇康文(中央)の愉快なトークを楽しむマーク(左)とDEAN(右)
ここで、もう一人のゲストが登場。日本語吹替版に挑戦した寺脇康文が拍手の中、音楽と共に颯爽と現れます。
寺脇「日本ノ皆サン、コンバンハ! 寺脇康文デス。コレ以上、ワカリマセン」(場内大爆笑)
司会「(笑)今回はシュー・ダーフーの声をやられたのですよね?」
寺脇「そうです。お話が来た時には、もうてっきりマークさんの声だと思って、『あ、これは亀山に似てるなあ』なんて思いながら『よーし!頑張ります!』と思ったら、違ったんですね(笑)。年齢的にダメって言われました(笑)」
司会「とはいえ、とても感情表現の豊かな役だったじゃないですか?」
寺脇「ダーフーの役はねえ。ホァン・ボーさんが素晴らしい俳優さんで、ほんとうに楽しくやらせていただきました」
司会「映画はご覧になったと思いますが、感想はいかがですか?」
寺脇「役者からみると、ほんとにこう『口惜しいな!』て…『うわ!面白い物作ってる』っていう、ほんとにそれが第一声で。ほんとに全編、ジェットコースター・ムービーで、すべてのシーンがクライマックスなんですよね。もちろんアクションも素晴らしいんですが、マークさんとホァン・ボーさんの二人のコンビの人間ドラマが根底にあるので、ほんとにその辺が、すべてにおいて楽しめる。笑って泣いて、最後は気持ちよくなって、面白かったねていって、自分の人生に戻って頑張れるような、そんな映画だと思います」
司会「ということですが、マークさんはいかがですか?」
マーク「光栄です。(ここで「あれ…」と周さんに『相棒』の日本語を尋ねるマーク)寺脇さんが出演している日本のドラマ『相棒』が台湾でオンエアされているので(寺脇「あら!」)、皆知っています。今回、吹替を寺脇さんにしていただいて、今ほんとうにわかりました。重鎮ですよね。(「なんだよ」と照れる寺脇さんに場内爆笑)ホントウニ、アリガトウゴザイマシタ(寺脇「謝謝」)」(拍手)
司会「うれしいですね。『相棒』ご覧になってたんですね」
寺脇「ええ。監督もご覧になってたみたいで…」
司会「実写の吹替は今回が初めてだったんですよね?」
寺脇「そうですね。アニメーションは1本あるんですけどもね」
司会「大変だったんじゃないですか?」
寺脇「とにかく僕は声をあてるわけですから、演じてらっしゃるホァン・ボーさんの面白さとか魅力は絶対に壊しちゃいけないし、レベルを保つように、というのは一番やりながら緊張したというか、一応気を付けてやりましたね」
司会「吹替をやる上で、思い出に残っているのは?」
寺脇「アクションシーンの中で、マークさんの役は結構強いから、あまりうろたえたりしないんだけど、僕のやった役は結構悲鳴をあげるシーンが多くて(笑)、1シーンずーっと悲鳴だけってのもありましたんで、そこは大変と言えば大変で。こう…画面を見ながら…(ダーフーが叫ぶシーンを再現)車でね。最後に爆発してドーンと跳んで行く所なんかは…(再び悲鳴再現に大爆笑&拍手)ぜひ、吹替版も観ていただけると…比べて観ると面白いと思います」
司会「特にここは注目して観ると面白いよというポイントは?」
寺脇「個人的に好きなところがありまして、冒頭ですね。始まってすぐに、シュー・ダーフーが登場する。僕のやる役のホァン・ボーさんが登場するところの、エレベーターのシーンにご注目ください。ここを見れば、この映画の色、ホァン・ボーさんが演じる役どころがすべてわかるという、すべてを表す素晴らしいシーンがあります。エレベーターのシーン。すぐに終わっちゃうので、皆さんよく観てね。一瞬です。凝縮しているんです。この作品のよさが」
司会「では、最後にメッセージをお願いします」
マーク「今日はこのような形で皆さんと一緒に時間を過ごすことができて、とてもうれしいです。映画を観て好きになってください。そして、引き続き応援してください。僕も一生懸命頑張りますので。日本へ来る仕事があると、日本に滞在する時間も長くなるので、またお会いできるよう祈っています」(拍手)
監督「この場を借りて、アミューズと東映の皆さんに感謝いたします。皆さんのおかげで、この映画を日本で公開することができました。そして、本日ご来場の皆さんにもお礼を申し上げます。ぜひ、この2時間あまりの映画を楽しんでください。そして、よい夜を迎えられますように。ありがとうございました」
引き続き、マーク・チャオとツァイ監督へのインタビューもご覧ください。
▼「ブラック&ホワイト」と「ハーバー・クライシス<湾岸危機>」 ▲ジャパンプレミア舞台挨拶 1・2 ▼マーク・チャオ 合同インタビュー ▼ツァイ・ユエシュン監督 単独インタビュー ▼映画紹介
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