いよいよ1月24日より日本で公開される『KANO 〜1931海の向こうの甲子園〜』。公開まで後9日と迫った15日に、新橋のヤクルトホールにて、豪華ゲストを招いたジャパンプレミアが開催されました。登壇したのは、台湾から再び来日したウェイ・ダーションプロデューサーとマー・ジーシアン監督、先月来日できなかった呉明捷役のツァウ・ヨウニンと蘇正生役のチェン・ジンホン、日本からは主演の永瀬正敏と妻役の坂井真紀、主題歌を担当したRake、主題歌を歌っている中孝介の総勢8人。
Rake、中孝介、坂井真紀、永瀬正敏、ツァウ・ヨウニン、チェン・ジンホン、マー・ジーシアン、ウェイ・ダーション
この日の舞台挨拶は映画の上映前に開催されました。期待が高まる中、満席のホール後部ドアから一同が入場してきます。皆さん、通路脇のお客さんと握手などしながらステージへ上がって整列。まずは、一言ずつのご挨拶から。
永瀬「永瀬です(笑)。近藤兵太郎監督をやらせていただきました。今日は台湾から4人も来てくれて、僕の大事な子どもたちも来ているので、とてもうれしいです。やっと…もうすぐかな。もうすぐ公開です。今日も来ていただきましたが、ぜひ、初日も来てください」
坂井「坂井真紀です。近藤監督の妻役をやらせていただきました。永瀬さんとまったく同じ気持ちで、ほんとうに、ウェイプロデューサーやマー監督、そしてアキラくんに蘇くん(二人を見てニコっと笑い)台湾から来ていただいて、ほんとうに皆さんに早く、早く、この映画を観ていただきたいなあと思っていたので、私もちょっと今、泣きそうなくらい嬉しいです」
ヨウニン「ツァオ・ヨウニンです。僕は『KANO』で呉明捷、アキラ役を演じました。今日はこうして東京に来られて、皆さんとお会いできてほんとうにうれしいです。皆さん、ぜひこの映画の中で素晴らしい野球の試合をご覧ください」
ジンホン「チェン・ジンホンです。『KANO』では蘇正生役を演じました。この映画をぜひ、皆さんに気に入っていただければと思います。ありがとうございます」
マー「(日本語で)皆さん、はじめまして。私はマーです。どうぞ、よろしくお願いします。(以下は中国語)この映画が間もなく、日本で公開されることになり大変嬉しいです。ご覧になったら、ぜひ勇気を貰って劇場を出て、新しい2015年をお迎えください」
ウェイ「ついに、やって来ました。今日のイベントには(台湾からの)大スターはいませんが、私たちが真心で作った映画をお見せしたいと思います。皆さんを泣かせたり、笑わせたり、打撃をさせたり…もしかしたら、映画を観ているうちに息をするのを忘れるかもしれません。ぜひこの映画を観て、勇気をもらって劇場を出てください」
Rake「主題歌をやらせてもらいました、シンガーソングライターのRakeです。ウェイ監督から楽曲を書いてくれないかというお話をいただきました。映画の中の野球チームと同様に、僕らも日本から僕、そして中孝介さん、台湾のスミンくん、ファン・イーチェンくん、ルオ・メイリンさんと、日台のアーティストで一緒に主題歌を歌っています。映画の中で流れるバージョンでは、僕らも北京語にチャレンジし、台湾の3人は日本語にチャレンジして歌ってくれています。日本と台湾を繋ぐ絆の、こういう映画に携れてほんとうに幸せです。僕も実は3回ほど映画を観させていただいてますが、毎回涙を流しています。今日は皆さんに絶対感動して帰ってもらいたいと思っております」
中「主題歌に参加させていただいた中孝介です。この映画、僕も何度も観させていただいていますが、ほんとに日台の繋がり、絆、そして映像も美しいですし、ストーリーもほんとうに感動的で素敵な映画になっております。この映画を知って、そして日台の関係がもっともっと深くなるといいなあと思っています」
司会「永瀬さんは、実在の人物、近藤さんを演じられましたが、大変難役だったと思います。役作り、準備段階などについて教えてください」
永瀬「近藤監督の教え子さんだったり、孫弟子さんなどに、近藤監督の人となりと練習方法をお聞きして、撮影に挑みました」
司会「松山市にも出かけられたそうですね?」
永瀬「台湾で公開される前に、やはりご挨拶に伺わせていただきました」
司会「撮影は5ヶ月と聞いていますが、撮影からプロモーションまで、台湾のキャストやスタッフの皆さんと一緒に過ごす時間も長く、チームKANOとは強い絆で結ばれているなあという印象がありました。そんな中で、なにか感動したエピソードはありますか?」
永瀬「エピソードというか…どんどんどんどん、こういうイベントがなくなると、皆に会える機会が少なくなっていくんですね。それが、とってもさびしくて。また、いろいろ企画してくれないかなあと。それでわかっていただけると思うんですけど、皆と会えなくなるのは嫌ですね。ま、スクリーンに行けば、何回も会えるんですけど」
司会「ほんとうに強い絆ができたということですね」
永瀬「ほんとうにスタッフやキャストの皆さんだけではなくて、台湾の観ていただいた方々からもすごく温かく、毎回毎回迎えていただいて、すごく感謝していますね」
司会「坂井さんはいかがですか? ご覧になられていて、皆さんとの絆を実際に感じたことがあると思うのですが」
坂井「私はもうずいぶん撮影現場が温まっている所にぽっと参加させていただく形だったのですが、永瀬さんがいてくださるだけで心強かったのと、ほんとうに皆さん温かく迎え入れてくださって。やはり、素晴らしい現場って勢いがあるといいますか、大変なことがいろいろあっても、きちっと皆が同じ方向を向いていられるなってすごく感じました。だから、この『KANO』のストーリーに似ている現場だなと思って、そこにすごく感動しました」
司会「撮影では1931年当時の甲子園球場を実際に再現したり、当時の街並を再現されていますが、ご苦労された点を教えてください。すごい規模だったそうですが」
ウェイ「やはりお金がかかりますね。お金のことはあまり考えずにずっとやり続けていたんですが、最後には、やはりお金が必要になりました。(会場笑)まあ実際は、お金のことは最後に解決しようということで、取り組んできました。とにかく、1930年代の甲子園や街の状況を再現するのは大変です。特に球場ですが、球場は生き物です。芝生も生き物なのです。最初はただセットを作ればいいと思っていたのですが、そこで野球の試合もやらなければなりません。ここで数カ月間、撮影しなくてはならないので、どういう風にリアルに再現し、撮影できるようにするかが、とても大変でした」
司会「台湾には黒い土がないそうですね? 黒土を作るのに苦労されたようですが?」
ウェイ「たしかに黒土はないので、撮影中にいろいろ考えて工夫しました。最終的には現場スタッフの提案で、古いタイヤをたくさん運んできて粉々にし、黒土として砂の上に敷いた状態で撮ることにしました。粉々にしたタイヤは非常に軽くて、常に砂の上に浮いているので、それを黒土としてお見せしました。大変なこともありました。本物の黒土ではなくゴムなので、ボールが当たると変な方向へバウンドしてしまうんです。それで、役者が苦労して、キャッチできなかったりすると、そのたびに監督に怒鳴られていましたね(笑)」
司会「その監督は野球を撮るにあたり、キャスティングにこだわったそうですね?」
マー「この映画は野球をテーマにしていますが、野球は台湾でも日本でも観客の皆さんにとてもよく知られているゲームです。なので、映画を観た時に、本当に野球をやっている、野球ができていると信じて貰えないと失敗です。そういう意味で、キャスティングでは実際に野球のやれる人を選ぶことにして、台湾全土の野球チームのある高校・大学は全部見に行きました。ネットからオーディションに応募する若者もいました。その中から、野球のできる様々な若者を選んでいきました。中でも、主演のツァウ・ヨウニンは、実際に野球の選手(野球の名門、輔仁大学所属で台湾代表チームでも活躍中)なので、映画の中で彼の活躍ぶりを確認してください。とにかく、僕が一番こだわったのは野球をどういう風に見せるかということです。近藤監督をやられた永瀬さん自身も少年野球をやられたと聞いていますよ」
永瀬「(少し間があり、照れくさそうに)はい!…少年野球です(笑)。ポジションも同じです。センターです(笑)」(次頁へ)
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