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ASICRO FOCUS file no.43

『BLACK NIGHT』来日記者会見

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恋人と浮気相手との間で苦しむ「隣人」
 柏原「ディランがやった香港編ですが、もともと香港映画にはオシャレなイメージがあったんですけど、今回ホラーにもかかわらずやっぱり色がすごく綺麗で、主役二人の演技もとてもオシャレだったので、恐さと同時に香港映画への憧れみたいなのがありましたね。タイの方は、ディランも言ってましたが、びっくりする、すごくシンプルなホラー映画的要素もあったんですけど、それ以上にやっぱり親子のつながりとかそういうものが描かれていて、テーマがすごくはっきりしているなと思いました。後、ちょっと驚きだったのは、やっぱり日本、香港、タイと、別に打合せをした訳ではないのに、水が出て来るんですね。水が共通して恐さを表現しているんですが、いろんな国の文化で恐怖を表わす時に、水というのはそういうイメージがあるのかなあと少し感じました」

 司会「お二人は香港映画祭で初めて会ったそうですが、その時のエピソードや印象を教えてください」

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 柏原「見たまんま…もう、背も高いですし…もこみちだなあ、と思いました。(場内笑)これは言おうかどうか迷ったんですけど(笑)、本人にお会いした時にすぐ言って、そしたら本人も知ってて、自分の国でもそういう風に言われることがあると言ってて、あらためて、もこみちくんの人気の具合を知らされたというか(笑)。でもとてもフレンドリーで、同い歳なんですけど、言葉が通じなくてコミュニケーション取れないのがすごく辛いと言ってくれて、その時の眼にやられそうな(笑)…あまり言い過ぎるとホモだと思われるので(場内爆笑)やめますけど、とてもすごく魅力のある男性です」

 通訳を聞きながら、ディランが柏原くんを見つめて
 ディラン「ミー・トゥー!(場内爆笑)僕はかなり前から、柏原さんのTVドラマを観ていて、ほんとにかっこいい役者さんだなと思っていたのですが、実際に会ってみると、すごくかっこいいだけでなく、とても親しみやすい方で、一緒にいてとても心地のいい方です」
と言って二人で微笑み返し。(場内笑)

 ここから記者による質疑応答に入ります。

 今回は香港・タイ・日本とアジア3カ国の合作映画に出演しました。感想を教えてください。

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 柏原「撮影自体は日本のスタッフの方たちだったので、現場ではアジア3カ国共同製作という雰囲気はなかったんですけど、香港映画祭でそれぞれの作品の役者さんたちと会って、同じ映画を宣伝をするという雰囲気を味わった時に、やっぱりやらせてもらってよかったなあとすごく感動しましたね」

 ディラン「3つの国のオムニバスということで、いい意味での競争心があったと思います。タイの映画も日本の映画もとてもいいものがありますから、絶対に頑張るぞと思って撮影しましたし、同じテーマで1つの映画を撮る訳ですからプレッシャーもありましたが、それもすごくいい交流の仕方だと思います。実際の撮影では、他の2本の人たちと直接会うことはできませんが、観客にとっては3つの違った国の顔を見ることができて、とてもいい試みだと思います」

 それぞれ、一番苦労された点は?(★)

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正体不明の何かに怯える「闇」
 柏原「大変だったシーンは、日本編の終わりにヒューという物体が出て来るのですが、それがCGだったので、そこにあるかのように演技をしてくれと監督から指示がありまして、ホラー映画って経験がなかったから、びっくりする時の表情とか、そういうのにすごく苦労しました。後はとても撮影した時期が寒かったので、寒さに耐えながら、ほんとにびっくりしている顔とか、ヒューを見た時の表情を、なるべくイマジネーションを作ってやってましたね」

 ディラン「2つあります。1つは柏原さんと同じで、まず監督に言われたのは、自分が恐いと思ってないとそういう表情はできないと言われていたのですが、幽霊は撮っている時は出て来ないので、それを見て恐がる表情を作るのが恐かったです。それから、ちょっとアクション的な所もあり、2、3階の窓から外へ飛び出すシーンがあるんですが、ワイヤーは使っていましたが、すごく危険でもありました」(▼次頁へ)

(c)2006 Movie-Eye Entertainment Inc., Five Star Production Co.,Ltd., Filmko Entertainment Ltd.
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更新日:2006.6.24
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
ディラン(ディラン・クォ)
柏原(柏原崇)
BLACK NIGHT
アジアをフィールドに映画配給と製作を手がけているムービーアイ・エンタテインメントにより企画・プロデュースされた、アジア3ヵ国(日本・香港・タイ)によるオムニバス・ホラー作品。同社はこれまでにも日中合作映画として『最後の恋,初めての恋』(03)、『アバウト・ラブ/関於愛』(05)を製作。最新作『上海の夜』(06/主演:本木雅弘、ヴィッキー・チャオ)も来年公開が控えている。
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香港編「隣人」
監督:パトリック・レオン
撮影:ライ・ユウ・ファイ
キャスト:アニー・リウ/ディラン・クォ/レース・ウォン
台湾から戻ったイーチェンは、恋人ジョーのアパートを訪れるのだが…。

日本編「闇」
監督:秋山貴彦
撮影:小林基己
出演:瀬戸朝香/柏原崇/田口トモロヲ
悪夢に悩まされる由紀は、婚約者の勧めでセラピーに通い始めるのだが…。

タイ編「記憶」

記憶


監督:タニット・チッタヌクン
撮影:ワッタナ・ワンチュプラウ
出演:ピッチャナー・サクサゴーン/カチョンサック・ラッタナニサイ/ナチャ・ブトスリ
幼い息子と二人暮らしのブランは、交通事故に遭って以来、誰かに監視されているような不安を覚え…。
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