2007.1.18
セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)
27日より公開中の『夏物語』。前作『甘い人生』から約2年ぶりの映画出演となるイ・ビョンホンが、涙の女王スエと共演する純愛ラブストーリーとして、注目されています。現在の初老の大学教授が、1969年の軍事政権下という特殊な時代を背景に芽生えた恋を回想し、その相手を探すというせつない物語。公開直前に来日した監督&主役たちの、記者会見の模様をお届けします。
監督「監督のチョ・グンシクです。この映画が日本で公開されることになり、とてもうれしいです」
ビョンホン「ひさしぶりに映画のプロモーションで日本へやって来ました。久々の出演作なので、緊張もしていますし期待もあります」
スエ「『夏物語』で皆さんにご挨拶できてうれしいです。この映画が日本で成功するといいなと思います」
Q:初めての共演の印象は?
ビョンホン「実は最初にシナリオを読んだ時、スエさんの顔がまっ先に浮かびました。共演したことはありませんでしたが、観客の立場に立ってシナリオを読んでみるとなぜかそうなったんです。実際に共演してみて、ほんとうに適役だと思いました。ご覧になるとわかりますが、映画のジョンインとスエさんのキャラクターは似ているところがあり、とてもよい演技を見せてくれています」
スエ「学生の頃からイ・ビョンホンさんのドラマはよく見ていて、大ファンでした。今回は恋人役として、ラブ・ストーリーの中でお会いすることになり、とても光栄でした。第一印象は、ドラマのイメージ通り。ほんとうに優しくて暖かくて、女性に愛されるだけの資格がある方です」
司会「監督はどんな印象でしたか?」
監督「おふたりが美しくてかっこいいので、現場では嫉妬心を感じながら仕事をしていました(笑)」
Q:60年代を演じて難しかったことは?
ビョンホン「その時代は生きていませんが、ある程度はぼんやりと察することができました。子ども時代に、60年代の残像のようなものが残っていたんです。映画には当時の具体的な状況がたくさん描かれています。イデオロギーの対立によって、ある人はスパイ罪に問われたり、監獄に入れられたりしたのですが、そういう状況は今の時代ではなかなか理解できないでしょう。私がある程度理解できたのは、小学生の頃に歪んだ反共教育を受けた最後の世代だったからです。今は開かれた時代なので、何が真実なのかわかるようになってきましたが、子どもの頃そういう誤った教育を受けていたので、当時の状況が理解できたんです。
難しかったのは、当時の人たちをどのように表現して演じるかということ。人間は、時間や場所が違っても、基本的な感情はある程度は同じでしょう。違いがあるとすれば、当時は『純情』が残っていたように思います。今の時代の美徳が『クールなこと』だとすれば、当時の美しい愛というのは『純情』だったと思います。その点を考えながら演じました」
スエ「1969年がどんな時代だったのかに好奇心はあったのですが、まったく知りませんでした。今回の映画はメロドラマで愛がテーマなので、時代背景よりも、当時の人がどんな恋愛をしていたかを自分なりに研究しました。その結果、当時の人も今の人も、愛に対する姿勢はあまり変わらない、男女が出会って恋愛するのも変わらない、と思いました。当時の人の方が今の人より純粋だったのでは?という点についても、変わらないと思います。恋愛は今も昔も同じという気持ちで、そこに重点を置いて演じました」
Q:お二人自身の初恋について教えてください。
スエ「経験はあります。ずっと片思いで、心の中で思っていました。実は初恋の人のルックスが、イ・ビョンホンさんにそっくりなんです。撮影が始まってからそのお話をしましたが、おかげで感情移入がすんなりとできました(笑)」
ビョンホン「それはスエさんが、日本で話題を作ろう思っておっしゃったのでは(笑)。私にも初恋の思い出はありますが、心の中に大切にしまっておきたいので、ここでお話することは控えます。ごめんなさい」(続きを読む)
続きを読む P1 > P2 > ▼作品紹介 | ▼墨攻ページへ
|