豪華キャストがずらりと揃った記者会見。
左よりリン・チーリン、チャン・チェン、トニー・レオン、ジョン・ウー、金城武、中村獅童
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2008.8.6 リッツカールトン(ミッドタウン六本木)
ジョン・ウー監督の最新作『レッドクリフ Part I』が、いよいよ1日より公開となりました。度重なるキャスティング変更や予算オーバーなどの難題をクリアして、ついに完成した本作は物語の前編。ジョン・ウー監督が20年も前から描きたかったという中国の古典「三国志」をベースに、魅力的な登場人物たちの人間関係と、赤壁の戦いに至るまでの過程が描かれます。まずは、監督と主演の5大スターが揃った来日記者会見の模様からご紹介します。
今回の来日でひと際注目されていたのは、終始とろける笑顔だったトニー・レオン。それもそのはず、長年連れ添った女優のカリーナ・ラウと、7月21日に晴れて結婚式をあげたばかりで、このPR来日が初仕事だったから。まさに、幸せいっぱいという感じで溢れておりました。ジョン・ウー監督はというと、やはり監督だけに饒舌で、一度話し出したら停まりません。質問は監督、トニー、金城くんに集中していましたが、あまり発言機会のなかったチャン・チェンもリン・チーリンもまるで退屈した様子はなくて、一安心。監督の言葉によく耳を傾け、よく笑い、記者会見自体をとても楽しんでいる様子でした。そのくらい、皆、仲がよく一心同体になっているということなのでしょうね。
では、冒頭のご挨拶から。
監督「日本の皆さん、こんにちは。今日はこんなに大勢にお集りいただき、ありがとうございます。また、日本のエイベックスにも感謝したいと思います。皆さんの応援と支持を得て、やっと20年来の夢を叶えることができました。今回は中国大陸、香港、台湾、日本、韓国、アメリカなど、世界各地の素晴らしいスタッフに恵まれて、仕事をすることができました。皆さんに貢献していただいたおかげで、これだけの成功を収められたと思っています。この作品は『三国志』の中でも一番有名な「赤壁の戦い」に基づいて描いた作品です。友情と勇気に関する物語です。また、この作品を通じて、平和への願いも託しています。ぜひ、楽しんでいただければと思います。作品の内容だけでなく、出演者の名演技を楽しんでください」
今回は北京語でのご挨拶した。そして、トニーはやはり広東語。
トニー「こんにちは。東京でこのような形でお目にかかれて、うれしいです。映画をご覧になり、気に入っていただけたらうれしいです」
続く金城くんはもちろん日本語で。
金城「こんにちは。金城武です。今日はこんなに大勢の方に集まっていただいてうれしく思います。よろしくお願いします」
そして、『呉清源』などで日本での仕事も慣れているチャン・チェンと、台湾親善大使も務めているリン・チーリンは北京語に日本語も交えてのご挨拶。
チャン「コンニチハ、チャン・チェンデス。今日は『レッドクリフ』のためにこんなに多くの方に来ていただいて、ほんとうにうれしいです。映画を気に入っていただけたら幸いです」
リン「ミナサマ、コンニチハ。チーリントモウシマス。ミナサマニオアイデキテ、トテモウレシイデス。ヨロシク、オネガイイタシマス」
日本初お目見えのリン・チーリンは、その美貌もさることながら、とても丁寧な日本語を話してくれて会場から拍手が起こりました。そして、我が日本からはこの人が。
中村「甘興役を演らせていただきました中村獅童です。早く日本の皆様に観ていただきたい気持ちでいっぱいだったので、この日を迎えることができてとてもうれしく思っています。こんなに壮大なスケールの作品に役者として参加させていただき、ほんとうにうれしく思っています」
ここからしばらくは、司会者からの質問タイム。
司会「『三国志』の映画化ということで、プレッシャーも大きかったと思いますが、何かエピソードを教えてください」
トニー「実はまったくプレッシャーは感じていませんでした。幼い頃、『三国志』を読んだことがなかったので、この映画を通して『三国志』を再認識できたことがうれしいです」
司会「トニーさんといえば、7月21日に女優のカリーナ・ラウさんとご結婚されました。おめでとうございます!(会場拍手)今のお気持ちは?」
照れ笑いのトニーに会場から笑いが起こります。
トニー「一緒にいた時間は長かったのですが、今でもとても楽しくやっています。ありがとうございます」
司会「諸葛亮孔明という、日本でも有名な人物を演じた訳ですが、気を付けたことは?」
金城「歴史や三国志演義など、いろんな分野で登場する孔明さんですね。僕は台湾で育ったので、中国文化では、孔明さんはお寺に祀られる神様の1人としての存在でもあります。いろんな面の孔明像をどこかしら少しでも出せたらいいかなと。もちろん、一番大事なのは監督が描いている孔明像で、全部をミックスして出した感じです」
司会「ジョン・ウー監督とは初めてのお仕事ですが、どうでしたか?」
金城「最高です(笑)。やっぱりオファーが来た時はうれしかったし。初めて監督と会ったのは、監督が『フェイス・オフ』で日本に宣伝に来た時でした。僕もたまたま東京にいて、なぜか食事に誘ってくれて、緊張しながら1ファンとして食事をした時に、監督が『金城くんはどういうジャンルの映画に出るのが好きなの?』と聞くので、『コメディです!』と。(会場笑)その時、横にいたマネージャーに『アクションって言いなさいよ』って太ももをつねられた。(会場爆笑)そういうのもあったんですけど、それでも使ってくれたのがすごくうれしかった。こういう大作に参加して、やっぱり役者としてだけではなくて、映画好きとしていろんな勉強ができたと思います」
司会「赤壁の戦いのキーとなる孫権を演じると聞いて、どのように思いましたか?」
チャン「とにかく驚きました。自分にとってはこれが初めての正式な時代劇(『グリーン・デスティニー』『天下無雙』はファンタジー時代劇)でしたし、監督が孫権を希望していると聞いて驚きました。それが冷めると、今度はすごくうれしくなってきて。なにしろバジェットの大きな大作ですから、各地域からの名優たちと一緒に仕事ができるというのも光栄に思い、孫権を演じられることをうれしく思いました。ただ、その喜びも長くは続かず、今度は緊張しました。歴史上の人物を演じるので、そのプレッシャーは大きかった。後は孫権の役作りの準備に一生懸命取組みました」
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