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今年の東京フィルメックスはかつてのスタイルに戻り、11月の単独開催になりました。昨年は朝日ホールのみだった上映も、ヒューマントラストシネマ有楽町での21時15分からの上映が復活。夜しか参加できないファンには朗報です。有楽町界隈で開催される東京国際映画祭と時期を分けたことで、上映時間がバッティングしたり、会場を駆け回ったりという弊害もなくなり、東京フィルメックスならではの独自性を保つことができるようになったのではないでしょうか。
ポスターのメインビジュアルは、今年もデザイナーのIKKI KOBAYASHIさん。「映画の鑑賞中、わたしたちの表情は物語の進行とともに移ろいます。映画を観終わった後の表情も一人一人違うように、物語をわたしに投影しながら余韻に浸り、明日のことを考える人を描いています」とコメントされています。
神谷直希さんがプログラミング・ディレクターに就任してから3回目になる今年は、プレイベントとして「Filmmakers’ Homecoming」(11/3-13) を開催。ヒューマントラストシネマ渋谷にて、映画人育成事業「タレンツ・トーキョー」に参加経験のある新進気鋭の映画作家たちが監督・制作した12作品（右蘭参照）を特集上映しています。
コンペティション部門は、イラン、マレーシア、ベトナム、モンゴル、中国、韓国、日本の7カ国の監督が制作した8作品がラインナップ。タレンツ・トーキョー修了生のアマンダ・ ネル・ユー監督作『タイガー・ストライプス』やゾルジャルガル・プレブダシ監督の『冬眠さえできれば』、さらに2020年に New Director Award を受賞した山本英監督の『熱のあとに』がコンペ入りし、8作品中の5作品が長編デビュー作になっています。今年の国際審査委員長はワン・ビン監督が務めます。
特別招待作品部門のオープニングには、カンヌ映画祭で女優賞を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『About Dry Grasses（英題）』を国内初上映。同じくカンヌ映画祭で上映された、ワン・ビン監督の最新作『黒衣人』に加えて『青春』の上映も決定しました。さらに、ホン・サンス監督の異色な新作『水の中で』、『悪は存在しない』の元になった濱口竜介監督＋石橋英子さんのライブパフォーマンス付『GIFT』の特別上演が予定されています。クロージング上映には、ウェイン・ワン監督の『命は安く、トイレットペーパーは高い』を4K修復版で上映します。
■ラインナップの見方とご注意
＊上映会場は会場別に色分けされています。時間は上映開始時間です。
＊ＴはQ＆A、Ａは舞台挨拶。
＊最新情報については公式サイトをこまめにチェックしてください。
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コンペティション作品
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雪雲
Absence（23年/中国/102分）
監督：ウー・ラン
出演：リー・カンション、リー・モン
10年間の刑務所生活を経て海南島に戻ってきた男。島は大きく変わり、彼は小さな美容室を営むかつての恋人と再会。彼女には幼い娘がいた。
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24日：YAH 18:25Ｔ
Ｇ：リー・モン
26日：HCY 21:05
＊『短編故事』と併映
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川辺の過ち
河邊的錯誤/Only the River Flows
(21年/タイ・仏・蘭・シンガポール/101分)
監督：ウェイ・シュージュン
出演：チュウ・イーロン、クロエ・マーヤン
1990年代の田舎町。老女殺人事件が起こり容疑者がすぐ逮捕されるが、刑事は疑いを持つ。
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21日：HCY 21:15
25日：YAH 16:15Ｔ
Ｇ：ウェイ・シュージュン
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冬眠さえできれば
If Only I Could Hibernate
(21年/モンゴル・仏・スイス・カタール/98分)
監督：ゾルジャルガル・プレブダシ
ウランバートル郊外に住む10代の天才数学青年。進学したいが母が出稼ぎに出て、弟や妹の面倒をみることに。真冬の暖房を維持するために…。
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22日：HCY 21:15
24日：YAH 12:40Ｔ
Ｇ：
バトヒシク・セデアユシジャブ
ガンチメグ・サンダグドル
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ミマン
Mimang（23年/韓国/92分）
監督：キム・テヤン
出演：パク・ボンジュン、チャン・スジ
変わりゆくソウルを背景に、若い画家と映画講師の移り変わる運命と人生の節目を数年にわたり捉えていく。新鋭キム・テヤン監督のデビュー作。
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19日：HCY 21:30
25日：YAH 10:15Ｔ
Ｇ：キム・テヤン
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黄色い繭の殻の中
Inside the Yellow Cocoon Shell
(23年/越・星・仏・西/178分)
監督：ファム・ティエン・アン
義姉を事故で亡くした青年。幼い甥を連れて義姉の遺体を故郷の村へ送り届ける。葬儀の後、彼は失踪した兄の捜索を始めるのだが…。
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23日：YAH 10:15Ｔ
Ｇ：ファム・ティエン・アン
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タイガー・ストライプス
Tiger Stripes
(23年/馬・台・星・仏・独・蘭・稲・嘉/95分)
監督：アマンダ・ネル・ユー
イスラム教の女子学校に通う12歳の少女。友人たちと危険な逸脱行為を楽しむが、自分の身体が誰よりも早く変化していることに気づき…。
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24日：YAH 15:35Ｔ
Ｇ：アマンダ・ネル・ユー
25日：HCY 21:15
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クリティカル・ゾーン
Critical Zone（23年/イラン・独/99分）
監督：アリ・アフマドザデ
GPSに導かれ、車で夜のテヘランをさまようドラッグの売人。介護施設の老人、客室乗務員、トランス・セクシュアルの街娼、薬中の息子を救おうとする母親....彼は様々な顧客たちに会う。
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21日：HCY 19:10
24日：HCY 21:15
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熱のあとに
After the Fever（23年/日本/93分）
監督：山本英
出演：橋本愛、仲野太賀、木竜麻生
恋人を殺そうとした女。服役後、見合いの席で林業に従事する青年と出会い、結婚する。平穏な結婚生活の中、隣人に謎めいた女が現れ…。 | |
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23日：YAH 14:40Ｔ
Ｇ：橋本愛、仲野太賀、
木竜麻生、山本英
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© 2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
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特別招待作品作品
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About Dry Grasses（英題）
（23年/トルコ・仏・独/197分）
監督：ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演：メルヴェ・ディズダル
都会への赴任を希望する僻地の美術教師。同居している同僚に好意を持つ英語教師を紹介するが、二人の間に彼が割り込んでくる…。
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＊オープニング作品
22日：YAH 17:15
＊上映前に開会式あり
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© 2023 NBC Film/Memento Production/Komplizen Film/Second Land/Film Ivast/Arte Frane Cinema/Bayerischer Rundfunk/TRT Sinema/Playtime
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命は安く、トイレットペーパーは高い
Life is Cheap, But Toilet Paper is Expensive
（90年/アメリカ/83分）
監督：ウェイン・ワン
出演：コラ・ミャオ、ヴィクター・ウォン
ビッグ・ボスに渡すブリーフケースを託されて、サンフランシスコから香港へやってきた青年。
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＊クロージング作品
26日：YAH 17:10T
G：ウェイン・ワン
＊授賞式の後で上映
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青春
青春/Youth (Spring)
（23年/仏・ルクセンブルク・蘭/215分)
監督：ワン・ビン
中国の10代後半から20代の若い世代と、衣料品製造の中心地である浙江省湖州市の織里鎮という町での彼らの反復労働の日々に焦点を当てる。
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26日：YAH 12:10Ｔ
Ｇ：ワン・ビン
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黒衣人
Man in Black（21年/仏・米・英/60分）
監督：ワン・ビン
出演：ワン・シーリン
現代音楽作曲家の王西麟が、裸で舞台に上がり、奇妙なダンスを始める。自作の曲を歌い、ピアノを演奏し、かつての過酷な経験を語る…。
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24日：YAH 10:35
25日：YAH 19:10Ｔ
Ｇ：ワン・ビン
＊『火の娘たち』と併映
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短片故事
短片故事/Short Story（23年/中国/12分）
監督：ウー・ラン
出演：ホアン・ジェ、リー・モン
夢の中で妻が自分から去っていくのを見て、彼女との関係を修復しようとする夫。目覚めると、夢と現実の区別がつかず…。
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24日：YAH 18:25Ｔ
Ｇ：リー・モン
26日：HCY 21:05
＊『雪雲』と併映
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水の中で
水の中で/In Water（23年/韓国/61分）
監督：ホン・サンス
出演：シン・ソクホ、キム・ソンギュン
俳優として活動してきた青年が演出家として2人の仲間と共に短編映画を作ろうとする姿を描く。「全編ピンボケ」の実験的作品。
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22日：YAH 15:30
26日：YAH 10:15
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火の娘たち
Daughters of Fire（23年/ポルトガル/8分)
監督：ペドロ・コスタ
3つに分割されたシネマスコープ画面に3人の女性。美しく、そして地獄のようでもある絵画的な画面に、賛美歌のような優美な音楽が伴われた異形のミュージカル映画。
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24日：YAH 10:35
25日：YAH 19:10
＊『黒衣人』と併映
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特別上映：GIFT
Gift（23年/日本/74分）
監督：濱口竜介
音楽・演奏：石橋英子
石橋が濱口に自身のライブ・パフォーマンス用の映像制作を依頼してできた『悪は存在しない』の原型。サイレント映画でパフォーマンスを。
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23日：YAH 19:00T
G：石橋英子、大美賀均、
山崎梓
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▼東京国際映画祭（制作中）
■過去の特集 2004｜2005｜2006｜2007｜2008｜2009｜2010｜2011｜2012｜2013｜2014｜2015｜
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更新日：2023.11.27
●back numbers
■会場リスト
YAH：有楽町朝日ホール
HCY：ヒューマントラストシネマ有楽町
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＊交通アクセス：
有楽町朝日ホール
（有楽町マリオン11F）
ヒューマントラストシネマ有楽町
（イトシアプラザ4F）
■チケット情報
＊11/4 10:00より発売中
（全席指定・各回入替制）
前売券
・前売一般/1400円
・前売U-25割/1000円
会期中券（指定席）
・一般/1900円
・U-25割/1300円
当日券（指定席）
・2200円均一（朝日ホール分）
＊朝日ホール12Fロビーにて現金で販売。当日券の有無は前日18時に公式HPと公式Xに掲載。
＊『GIFT』は特別料金4000円。
販売
有楽町朝日ホール
・電子チケット
livepocket ticket から購入
＊事前登録が必要です。
＊前売券は11/18 23時まで
ヒューマントラストシネマ有楽町
・劇場特設サイト
＊前売券は11/18 19時まで
・劇場チケットカウンター
有楽町イトシア
イトシアプラザ4F
■プレイベント：
Filmmakers' Homecomming
期間：11/3-13
場所：
ヒューマントラストシネマ渋谷
料金：一般/2000円
大学生/1500円
高・中・小学生1000円
シニア/1300円
TCGメンバー/1400円
販売：インターネット
劇場窓口
上映作品
アーノルドは模範生
(22年/タイ・シンガポール・仏・オランダ・フィリピン/86分）
監督：ソラヨス・プラパパン
カム・ヒア
(21年/タイ/69分）
監督：アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
暗くなるまでには
(16年/タイ・オランダ・仏・カタール/105分）
監督：アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
昨夜、あなたが微笑んでいた
(19年/カンボジア・仏/77分）
監督：ニアン・カヴィッチ
ホワイト・ビルディング
(21年/カンボジア・中・
仏・カタール/90分）
監督：ニアン・カヴィッチ
墓場にて唄う
(16年/マレーシア・フィリピン/141分）
監督：ブラッドリー・リュウ
アスワン
(19年/フィリピン/85分）
監督：アリックス・アイン・アルンパク
トランジット
(13年/フィリピン/93分）
監督：ハンナ・エスピア
見えるもの、見えざるもの
(17年/インドネシア、
オランダ、オーストラリア、
カタール/86分）
監督：カミラ・アンディニ
熱帯雨
(19年/シンガポール・台/103分）
監督：アンソニー・チェン
チャンケ：よそ者
(19年/台湾/103分）
監督：チャン・チーウェイ
レオノールの脳内ヒプナゴジア
(22年/フィリピン/99分）
監督：マルティカ・ラミレス・エスコバル
■その他の特集上映
メイド・イン・ジャパン
・Last Shadow of the First
Light（英題）
（23年/108分）
監督：ニコール・ミドリ・
ウッドフォード
・お引越し
［4Kデジタルリマスター版］
（93年/124分)
監督：相米慎二
・広島を上演する
（23年/133分）
監督：三間旭浩/山田 咲/
草野なつか/遠藤幹大
・うってつけの日
（23年/69分）
監督：岩崎敢志
ジョアン・セーザル・モンテイロ監督特集
期間：11/17-18
会場：
アテネ・フランセ文化センター
上映作品：
・黄色い家の記憶
(89年/ポルトガル/122分)
・ラスト・ダイビング
(92年/ポルトガル・仏/91分)
・神の結婚
(99年/仏・ポルトガル/154分)
お問合せ
お問い合わせ事務局
TEL/03-3554-4453
平日：10:00-18:00
＊メールはこちら
■コンペティション受賞結果
最優秀作品賞
・黄色い繭の殻の中
監督：ファム・ティエン・アン
審査員特別賞
・冬眠さえできれば
監督：ゾルジャルガル・
プレブダシ
・クリティカル・ゾーン
監督：アリ・アフマドザデ
観客賞
・冬眠さえできれば
監督：ゾルジャルガル・
プレブダシ
学生審査員賞
・ミマン
監督：キム・テヤン
■Talents Tokyo Award 2023
Talents Tokyo Award
・Mangoes are Tasty There
サイ・ナー・カム
（ミャンマー）
Special Mention
・Free Admission
アンジェリーナ・マリリン・
ボク（シンガポール）
・Water Has Another Dream
オーツ・インチャオ（中国）
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