夢の向こう側に走り続ける仲間たちと作った初めての映画 −ジミー・ハン(洪天祥)、ヴァネス・ウー(呉建豪)、 エリック・トゥー(百鋒)、ディーン・フジオカ(藤岡)
6月1日より渋谷ユーロスペースから公開がスタートした台湾映画『夢の向こう側』。華流ファンにはお馴染みのヴァネス・ウー(呉建豪)が、親友のジミー・ハン(洪天祥)、エリック・トゥー(百鋒)と06年に設立した映画製作会社、Smash and Grab Productions(天地仁和有限公司)の記念すべき第1回作品であり、自分たちが主演した作品としても注目されています。
左からSMASHを演じたジミー・ハン、ヴァネス・ウー、エリック・トゥー、ディーン・フジオカ
ベースとなったのは、19歳の時に日本でバンド活動をしようとしていたジミー・ハンが書いたストーリー。それを元にジミーが脚本を仕上げ、編集と音楽も担当。主演にはヴァネス、ジミー、エリックに、台湾で活躍する日本人俳優ディーン・フジオカ(藤岡)と名バイオリニストでありドラマでも活躍するクリス・ルン(隆宸翰)を加え、5人組のロックバンド「SMASH」が夢を追いかけていく姿を友情と共に描いています。
そのSMASHのメンバーが、公開初日の舞台挨拶で来日。残念ながらクリスは参加できませんでしたが、ヴァネス、ジミー、エリック、ディーンが、渋谷ユーロスペースにて、なんと2日間で8回もの舞台挨拶を行いました。その合間をぬって、インタビューにも応じてくれた4人。関東地区では公開が終了し、すでにご覧になった方もたくさんいると思いますが、映画のネタバレ満載&次回作への期待も高まる爆笑インタビューの様子をお届けします。
尚、上映中またはこれから上映予定の劇場もありますので、映画の結末を知りたくない方は、観賞後にお読みください。インタビューは英語で行われ、ディーンはもちろん日本語、ジミーは達者な日本語を中心に時おり英語を交えての回答となっています。
●日本で上映されるまでの道
Q:『夢の向こう側』は2011年の作品でもう2年が経っていますが、今回は東京だけでなく、日本各地でも上映されます。まずは、日本のファンの皆さんにメッセージをお願いします。
エリック「僕たちを支持していただいてありがとうございます。日本で外国の作品が公開されるのが難しいことはよく知っています。ファンの皆さんに感謝しています。これに続く作品にも期待してください」
ヴァネス「この映画が日本で公開されることになり、興奮しています。撮影中も日本のファンの皆さんに来ていただいて、コンサート・シーンのエキストラとして出演していただきました。いつも温かい気持ちとサポートに感謝しています。また、皆で一緒に作品が作れたらいいなと思います」
ジミー「この映画は日本と繋がっているところが多いのです。このアイデアができたのも、日本で暮らしてた頃。ちょうどその時も、バンドを始めていて。日本では、サムライ・スピリットって言うのかな。皆、それぞれ好きなことをほんとうに一生懸命やっている。いろんな街で、ストリートライブをやってるバンドの皆と仲良くなって、それでサムライ・スピリットを感じてたんです。だから、このストーリーができたし、映画が創れた。
それと、日本人も出ています(笑)。ディーンにはいろんな人を紹介してもらって、感謝してます。ディーンと(日本で人気のある)ヴァネスのおかげで、この映画に注目してもらえたわけだし、日本で公開できることになりました。まるで、自分の子どもが大学に入ったような感じ。おめでとう!って言いたいくらいの気持ちですね」
Q:公開が決まるまでの時間は長かったですか?
ジミー「長かったですね。多分、普通の映画より、2、3倍くらいかかったんじゃないかな。撮影が終ってからも、かなり待ったし。この映画のアイデアができたのが、10何年前かなあ…15年?18年前ですね。それが今、やっと映像で観られるのが、ちょっと不思議ですね(笑)。でも、日本の皆さんには、ぜひこの映画をサポートしてもらいたいんです。それで、もしほんとうによかったら『夢の向こう側 パート2』をやろうかなって(皆で拍手)…(ヴァネスをさして)死んでる!」(一同大爆笑)
ヴァネス「ゾンビ・ムービーにしよう(笑)」
ジミー「マイクは孤児だから、双子がいるとかね!」
エリック「それで、彼の兄弟の名前はタコ!(笑)」
●キャスティングとキャラクター作り
Q:この作品は脚本を書く前にすでに5人の配役を決めていたそうですが、この5人に決めた理由をお聞かせください。
ジミー「たとえば、ディーンはほんとうに素晴らしい俳優だし、エリックはコメディアンみたいな人。皆それぞれのタレント性がこのプロジェクトにプラスになると思い、決めました」
Q:この映画は皆さんで作っていかれたわけですが、演じている途中でキャラクターが変わっていった部分などはありますか?
ヴァネス「ありますね。脚本は元からありましたが、セリフの読み合わせをする時にそれぞれの個性が出てきて、僕たちは皆、親友だから、それがうまく機能しました」
ジミー「セリフはだんだんよくなっていったよね」
エリック「何回も読み合わせをして、練習して…」
ジミー「『エリック、ここのセリフはどう思う?』と尋ねると、彼は『ここはこうだから、こんな風にやる』。OK。ディーンは『僕はリーダーだから、この部分はこんな風にやりたい』と。そうやって、脚本にそれぞれの感情や演じ方をたくさんを付け加えていきました」
Q:ストーリーは変わらなかったのですか?
エリック「ジミーはとても大きな自由を与えてくれて、何でも試してみました。たとえば、僕があるシーンを大袈裟に演じてみると、ジミーが『う〜ん…ちょっとやり過ぎかな』と言ったり。『じゃあ、こうやらせてよ』というと、それがよければ『OK、それでいこう』と」
ジミー「一番よかったのは、たくさんミーティングを重ねたこと。どういう風にやるか、やるべきでないか、僕たちはいつも一緒にいたから統一ができていた。だから、撮影に入っても、あうんの呼吸でできたんです」
ヴァネス「だから、僕は脚本を持ち込まないで撮影したよ」
ジミー「読んでないんだよ。中国語だったから(笑)」(次頁へ続く)
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