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モンキーマン

モンキーマン(MONKEY MAN)

監督:デヴ・パテル
原案:デヴ・パテル
脚本:デヴ・パテル、ポール・アングナウェラ、ジョン・コリー
撮影:シャロン・メール
編集:ダーヴィド・ヤンチョ、ティム・マレル、ジョー・ガルド
美術:パワス・サワットチャイヤメト
衣装:ディヴィア・ガンビール&ニディ・ガンビール
音楽:ジェド・カーゼル
ファイト・コーディネーター:ブラヒム・ハブ
火工術スーパーバイザー:ハーバート・ブランク
SFXスーパーバイザー:デヴィッド・OPA・メスロー
視覚効果スーパーバイザー:マーレイ・ポープ
出演:デヴ・パテル、シャールト・コプリー、ピトバッシュ、ウィピン・シャルマ、シカンダル・ケール、アディティ・カルクンテ、ソビタ・ドゥリパラ(ショービター・ドゥーリパーラ)、アシュウィニー・カルセカル、マカランド・デシュパンデ、ジャティン・マリク、ザキール・フセイン

2024年/米・カナダ・シンガポール・インド
日本公開日:2024年8月23日
カラー/シネスコ/Dolby Atmos, 5.1ch サラウンド/121分
字幕:風間綾平
配給:パルコ ユニバーサル映画
©2024 Universal St;udios.
2024年 サウス・バイ・サウスウエスト映画祭 観客賞
2024年 ゴールデン・トレイラー・アワード
 最優秀アクション賞/最優秀音響賞

poster

story

 幼い少年キッド(ジャティン・マリク)は大好きな母ニーラ(アディティ・カルクンテ)から、猿の姿をしたヒンズー教の神ハヌマーンの物語を聞かされる。太陽を食べようとして神々の怒りをかったハヌマーン…。だが、成長したキッド(デヴ・パテル)は、インドにある腐敗した都市ヤタナの地下ファイトクラブで猿のマスクをかぶり、「ザ・ビースト」と呼ばれる殴られ屋となり、金を稼いでいた。母を殺した男に復讐するために。

 ある日、頼んでいた情報屋の少年が朗報を持って来た。キングスクラブのマネージャー、クィーニー(アシュウィニー・カルセカル)が現れるカフェがあるという。キッドはビジネスマンに扮して彼女に近づき、名刺を入手。高級売春ホテルのキングスクラブに潜入するため、ウェイターとして働き始める。そこには、コールガールとして働き始めたばかりのシータ(ソビタ・ドゥリパラ=ショービター・ドゥーリパーラ)もいた。

 そして、ついにあの男が現れた。母を殺した汚職警察官ラナ(シカンダル・ケール)。今は怪しい教祖バーバ・シャクティ(マカランド・デシュパンデ)と組み、政界へ進出して街を牛耳ろうとしている。

 キッドは親しくなったアルフォンソ(ピトバッシュ)の協力も得て、ホテルへ拳銃を持ち込むことに成功。ついにラナと対峙するが、逆に追い詰められてしまう。アルフォンソのオートリキシャ・トゥクトゥクで街へ逃走するも、地上と空から追跡され、銃で撃たれたキッドは夜の澱んだ暗い川へ落ちていった。

 キッドは古いシヴァ寺院の中で目覚めた。アルファ(ヴィピン・シャルマ)というヒジュラの僧侶が、彼を救い上げ手当してくれたのだ。寺院の外にはまだ追っ手がいたため、彼は傷が癒えるまでここに留まるよう勧める。そこには虐げられたヒジュラの人々が寄り添って住んでいた。アルファによって樹木の洗礼を受けたキッドは、彼らの音楽のリズムに合わせてトレーニングを始める。ヒジュラの中には力持ちの女性もいて、彼らも一緒に肉体を鍛えていった。

 生まれ変わったキッドは、タイガー(シャールト・コプリー)の地下ファイトクラブで腕試し。ヒジュラたちの助けを借りて、再びラナに挑んでいく…。


アジコのおすすめポイント:

悪徳警官から最愛の母を殺された少年が復讐を誓い、挫折しながらも復讐の化身ならぬ化神「モンキーマン」となって壮絶な復讐を遂げるアクションドラマです。製作・脚本・監督・主演は俳優のデヴ・パテル。デヴ・パテルといえば『スラムドッグ$ミリオネア』で一躍注目を浴び、その後も着実にキャリアを積んできたインド系イギリス人俳優。出演作も『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』『奇蹟がくれた数式』『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』、『ホテル・ムンバイ』、最近では『グリーン・ナイト』と人間ドラマやファンタジックな作品が多くソフトなイメージ。ガチのリアルファイトを描いたアクション映画はないので、それだけでもビックリなのですが、実は彼、根っからのアクションファンなのです。

少年の頃からテコンドーをやり、カンフー映画やボリウッドのアクション映画に影響を受け、さらに「復讐」というテーマには韓国映画のテイストも取り入れて、実に構想8年の歳月をかけ磨きあげたのが本作。祖父から聞いたインドの猿の神、ハヌマーン神話をベースにストーリーを組み立て、母への深いリスペクトを描いた作品となっています。

最初から最後までテンション高めで、血みどろ&汚物まみれのアクションが続くのですが、ヒジュラの寺院でほっと一息。ここでは、音楽や踊りも大切な要素で、主人公を人間的に生まれ変わらせていきます。タブラを叩いているのは、グラミー賞受賞歴もあるタブラ奏者のザキール・フセインさん。デヴ曰く「僕の好きな『アジョシ』『オールドボーイ』『ザ・レイド』『ジョン・ウィック』を混ぜ合わせて、インド産のマサラを加えた」とのこと。撮影は主にインドネシアで行われ、配信用に製作されましたが、編集段階でアメリカのジョーダン・ピール監督と彼の製作チームの目にとまり、ユニバーサルからの劇場公開作品になりました。

シータ役を演じているのは、マニラトナム監督の『PS1』『PS2』でアルンモリ王子の婚約者を演じたショービター・ドゥーリパーラです。そのほか、インド映画の俳優さんも出演しているので、インド映画ファンは要チェック。念願かなって監督デビューし、アクション俳優としての実力も見せつけることができたデヴ・パテルは今年34歳。まだまだ若い。これから、アクション映画のオファーが増えるかもしれません。ちなみに、アジコが好きなシーンは、少年がお母さんと山に登るところ。木の根っこのお話が哲学的です。自然との共生。復讐だけでなく、いろんなことが詰め込まれた作品になっています。

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