●武侠大作や話題作が続く中華圏映画
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(c)2008 Talentaid International Ltd.
上/『レッドクリフ Part II』 下/『ウォーロード/男たちの誓い』
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いよいよ2009年がスタートしました。昨年はアン・リー監督の『ラスト、コーション』に始まり、ジョン・ウー監督の『レッドクリフ Part I』で締め括った感のある中華圏映画ですが、その『レッドクリフ Part I』大ヒットの勢いに続けとばかりに、注目の時代劇大作が続々公開予定です。
まずは、同じ三国志の世界を描いたダニエル・リー監督の、その名もずばり『三国志』。こちらは「三国志」ファンの中でも特に人気の高い趙雲子龍に焦点をあて、彼の高潔な半生を描きます。主演はアンディ・ラウ。共演はサモハン、マギー・Q。そして、4月にはお待ちかねの『レッドクリフ Part II』が公開。赤壁の戦い・決戦天下の火蓋が落とされるのは4月10日、金曜日です。
さらに、アクション監督としても有名なチン・シウトンが監督した『江山美人』が続きます。戦国時代に武将としても活躍した燕の姫君を巡る男女の運命と愛の物語で、主演はケリー・チャン、レオン・ライ、ドニー・イェン。そして、香港金像奬と台湾金馬奨のダブル作品賞&監督賞に輝いたピーター・チャン監督の『投名状』が5月9日から、『ウォーロード/男たちの誓い』という邦題でついに公開予定です。こちらは清朝末期を舞台にした義兄弟の物語。主演はアンディ・ラウ、ジェット・リー、金城武。ジェット・リーは本作で、昨年の香港電影金像奨主演男優賞を受賞。
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上:『戦場のレクイエム』
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時代劇以外では、フォン・シャオガン監督の『戦場のレクイエム』(主演のチャン・ハンユーに注目!)と、ジョニー・トー組の脚本家ヤウ・ナイホイが初監督した『天使の眼、野獣の街』(サイモン・ヤムとレオン・カーファイが素晴らしい!)がそれぞれ1月に、そしてジョン・ウー監督の『ワイルド・ブリット』を、若手イケメンスターたち(ダニエル・ウー、トニー・ヤン、リウ・イエ、チャン・チェン、スー・チー)でリメイクした『ブラッド・ブラザーズ/天堂口』が2月に、次々と公開されます。
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左/『ブラッド・ブラザーズ/天堂口』 上/『花の生涯/梅蘭芳』
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さらに3月以降は、チェン・カイコー監督が京劇の名優・梅蘭芳(メイ・ランファン)の半生を描いた『花の生涯/梅蘭芳』(主演はレオン・ライ、チャン・ツィイー、スン・ホンレイ)、F4のヴァネス・ウー(『三国志』にもちらっと登場)がサモハンと共演した『カンフーシェフ』、ジャ・ジャンクー監督の新作『四川のうた』が控えています。
●新機軸が登場するか?韓国映画
なかなかヒット作に恵まれず、公開本数がすっかり少なくなってしまった韓国映画ですが、2009年は挽回の年になるか?! まず登場するのは、日本で人気の高いキム・ギドク監督の新作『悲夢』。主演はオダギリ・ジョーとイ・ナヨン。夢で繋がれた悲しい恋人たちの物語を描きます。3月には、兵役終了後初の本格的復帰作となったソ・ジソブ主演の『映画は映画だ!』(監督:チャン・フン)が公開。こちらは暴力的な映画スターと俳優になりたかったヤクザの物語。共演はカン・ジファン。原作・製作はキム・ギドク監督です。
(c)2008 KIM KI DUK FILM
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(c)2008 SPONGE and KIM KI-DUK FILM.
左:『悲夢』 上:『映画は映画だ!』
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(c) 2008 Showbox/Mediaplex., Inc., United Pictures, SooFilm & ZIP CINEMA.
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そして4月には、ドラマ「宮」と「魔王」ですっかり人気者となったチュ・ジフン主演の『アンティーク』が公開されます。こちらは日本でもタッキー主演でドラマ化された、よしながふみの「西洋骨董洋菓子店」が原作。イケメンスターたち(キム・ジェウク、ユ・アイン、チェ・ジホ)によるドキドキの同性愛も見所です。さらに、キム・ガンウ、イ・ウォニ主演のお料理バトル映画『食客/グラン・シェフ』も公開予定。
その後の作品としては、現在韓国で公開が始まったばかりの話題作『霜花店』が、今年後半に公開されるのではと予想。こちらは、チョ・インソン、チュ・ジンモ、ソン・ジヒョ主演の宮廷時代劇。王と近衛兵の同性愛を描いており、チョ・インソンと王妃役ソン・ジヒョとのベッドシーンも注目されています。
●ハリウッドと日本もクロスオーバー
最後にご紹介するのは、ここ数年で急速に増えているコラボレーション作品。韓国映画『悲夢』で主演したオダギリ・ジョーが続いて主演したのは、ユー・リクウァイ監督の『プラスティック・シティ』(共演はアンソニー・ウォン)。こちらは中国・香港・ブラジル・日本合作映画で、3月に公開予定です。さらには、あの「ドラゴンボール」をハリウッドがリメイクした『ドラゴンボール・エボリューション』(チョウ・ユンファも出演)が、3月15日に世界同時公開予定。一方で、リー・チーガイ監督(『世界の果てに』『不夜城』)が再び日本映画に挑戦した『昂/スバル』(主演:黒木メイサ)も3月公開予定です。
5月には、香港のダニー&オキサイド・パン兄弟が『レイン』のセルフ・リメイクとして手がけたハリウッド映画『バンコック・デンジャラス』(主演:ニコラス・ケイジ)が、さらにロニー・ユー監督によるチョン・ジヒョンのハリウッドデビュー作『ラスト・ブラッド』が続きます。さらに、日本の忠犬ハチ公の物語をハリウッドで映画化した『HACHI 約束の犬』(監督:ラッセ・ハルストレム、主演:リチャード・ギア)や、山田洋次監督の名作『幸福の黄色いハンカチ』をハリウッドでリメイクした『ザ・イエロー・ハンカチーフ』(主演:ウィリアム・ハート)も公開予定です。
その他、ワーナーブラザースが仕掛けたインド映画『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』(監督:ニキル・アドヴァーニー、主演:アクシャイ・クマール)も初夏に公開予定。アカデミー賞候補としても話題の『スラムドッグ・ミリオネア』はダニー・ボイル監督がでインドで撮影した作品で、こちらも春の公開が決まっています。昨年のフィルメックスでゲスト審査員のレオン・カーファイが語っていたように、これからはボリウッドとのコラボレーション作品も増えていくのではないでしょうか。
もうひとつ、今年の2月からクランクインする『ノルウェイの森』は、『青いパパイヤの香り』や『シクロ』でお馴染みのトラン・アン・ユン監督が手がけますが、昨年フランスで公開されたコラボな新作『I Come with the Rain』(出演:ジョシュ・ハートネット、イライアス・コティーズ、イ・ビョンホン、木村拓哉、ショーン・ユー、トラン・ヌー・イエン=ケー)の日本公開も気になるところです。
●こちらも気になる韓国版ドラマ「花より男子」
注目のドラマ情報もご紹介しておきます。製作発表時から話題となり、元祖台湾版ドラマのF4ファン、続く日本版ドラマの花男ファンたちからも注目されていた、韓国版ドラマ「花より男子」がいよいよスタートします。出演はク・ヘソン(牧野つくし)、イ・ミンホ(道明寺司)、キム・ヒョンジュン(SS501/花沢類)、キム・ボム(西門総二郎)、キム・ジュン(美作あきら)のフレッシュな顔ぶれに決定。道明寺役のイ・ミンホは、ジェリーにも松本潤にも似た感じが…。その他の気になるキャスティングはというと、藤堂静役にハン・チェヨン、司のお姉さん椿役にキム・ヒョンジュ、そして司のこわ〜いママ道明寺楓役を「ごめん、愛してる」のカン・ヒス(なるほど!)が、つくしの親友・松岡優紀役をキム・ソウンが演じます。放送は韓国KBSテレビで1月5日から。こちらは、日本版公式サイトも開設されているので、今後の展開が気になる方、ファンの皆さんはそちらをチェックしてくださいね。
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