フランシスは笑ってますが、アンソニーはまだポーズ中。
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Q:アンソニーさんは、この後にオダギリ・ジョーさんと共演(『プラスティック・シティ』)していますが、彼の役者としての才能はいかがですか?
アンソニー「なんで俺には日本の監督からオファーが来ないのか、質問して欲しいなあ。なんか、俺にはオファーが来ないような気がするんだよなあ(笑)。オダギリ・ジョーはとても真面目で努力家で、我慢強い人だと思う。大人だね。日本のトニー・レオンと言われているそうだけど、似てるところもあるんじゃないかな(笑)」
エッ? オダジョーが日本のトニー・レオン? と、皆思ったらしく、一同「???」という顔になったので、通訳さんが「皆、そんなふうには聞いてないそうです」と説明。フランシスが慌ててフォローします。
フランシス「香港でそう言われてるんです。日本だと、日本のアンソニー・ウォンて言われてるのかも(笑)」
Q:義理の親子の役でしたが、ジェイの時みたいに才能を見抜いたというようなことは?
アンソニー「ジェイの場合は性格や生活面で共通している部分が多いので、親子の絆のDNAが培われていると思うんだけど、オダギリさんとは友だちという感じだね」
Q:フランシスさんは『無問題』にも出演されてましたが、今後、共演したい日本人俳優は?
フランシス「緒形拳さん。(「亡くなられたばかりですねえ」と残念そうに一同)…監督でいうと、北野武さん」
Q:アンソニーさんも、前に北野武さんの映画に出たいと言ってましたね?
アンソニー「そう。ほんとうに、役者というより、監督としての合作協力でもいいので」
これは2005年のアジクロ・クリップ第1号『頭文字<イニシャル>D大特集』の現地インタビューでも語っていました。北野武映画とアンソニー・ウォン、ぴったりな気もするので、ぜひ実現して欲しいものです。(日本の映画会社さん、オフィス北野さん、よろしく!)それから、以前アジクロでインタビューしたディーン藤岡くんが「いつかフランシス・ンさんと共演したい」と熱く語っていたので、こちらも実現することを祈ります。(香港・台湾の監督さん、よろしく!)
それまでの撮影でカメラマンから散々「怖い顔」「威嚇して」と頼まれてた二人。「もう、恐い顔はできないよ」とアンソニーが言うので、「好きなようにしてください」と自然にしてもらったら、こんな風に。
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●映画をつくること
Q:香港映画以外で、アンソニーさんはハリウッド映画(『ハムナプトラ3』)、フランシスさんはシンガポールの映画(『孩子・樹/黄婆婆重出江湖續集』)などに出ていますが、他の国の作品と香港映画の違いは?
フランシス「僕はまだハリウッド映画には出ていないので、ハリウッドのスタイルはわからないけど、アジアの映画にはよく出ています。ハリウッドと比べると、アジアの場合は多分、役者が守られてる感じがしないかな。例えば、ハリウッドでは専用の車が手配されたり、よくケアされてるようだけど、僕らにはそんな待遇はなく、スタッフと同じ弁当を食べたりする。そういう意味では、僕は結構楽しんでます。普段からスタッフに溶け込んでいろんな話をしていると、知り合いも増えるし、仕事が終った後にその国を訪れると、皆、友だちのように接待してくれるので、とてもよかったです」
アンソニー「ハリウッドにもスタッフと一緒に飯を食うスターはいるよ。人にもよるけど、スタッフと一緒に溶け込んでるという面では変わらないと思う。俺の経験では、仕事が終ってからいろんなカップルができて、皆で仲良くしてる光景をよく見た。おそらく、アジアとハリウッドの違いは、かなりシステム化されてるところだろうな。それから金銭感覚が違う。たとえば、あるシーンを撮るのにホテルの内装を全部変えるとか、莫大な金をかけて撮るけど、香港ではそこまでは考えられない」
途中、フランシスが何度も「うん、うん」とあいづちを打ってました。
Q:また、ハリウッドからオファーがあったら行きますか?
アンソニー「もちろん、行くよ。どうして行かないんだ?」
Q:おふたりはアクション映画だけでなく、文芸作品にもたくさん出ていますが、今後、自分で監督をするとしたらどんな作品を撮りたいですか?
フランシス「映画会社が出資してくれるんだったら、どんな映画でも撮りたいですね。監督としてはまだ勉強中なので、ジャンルにこだわらずいろんなものを撮ってみたい」
アンソニー「監督をやる機会があれば、時代劇アクションに挑戦してみたい。コメディじゃないのは確かだ。もう1つは、第2次世界大戦後に活躍した日本人のマジシャンを主人公にした作品。実在した人物じゃなくて、俺の描いたイメージだけど」
フランシスは昨年のHAF(香港亜洲電影投資會)で『白瑪的眼涙』という作品の企画が選ばれ、Sony Fellowship Award を受賞していますが、その後の進捗が気になるところ。アンソニーが言っているマジシャン役は、ジェイのイメージかもしれませんね。実現したら面白そうな作品になりそうです。日本の映画会社さん、こちらもぜひご一考を。
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そして、一番のサービスショットはこれ! さすが、個性派の二人。普段から息も合っているので、一瞬でできちゃうんですよ(^^)
(大きくしてじっくり見る)
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Q:それぞれの今後の予定を教えてください。
フランシス「いくつかあります。まだ不確定な要素が多いのでどうなるかわかりませんが、1つは警察もの。監督は『インファナル・アフェア』のアラン・マックです。まだ決まってはいないけど、出演するかもしれません。もう1つは監督としてですが、自分で手がけてみたいアクション時代劇があります。それもまだ未定ですが、この2つのうちどちらがうまくいくか…もちろん、2つともうまくいくと一番いいのですが。テレビでは中国の京劇の有名な役者、周信義をテーマにした作品があります。僕は歴史ものが好きなのですが、京劇では梅蘭芳と並ぶ中国の四大名人の1人です。うまくいけば、僕がその役を担当するかもしれません」」
アンソニー「俺はジョニー・トーの作品(『復仇』)に出ることになっているけど、同じように何も言われていない。何の情報もないし。監督とは『フランシスにも入ってもらった方がいいんじゃないですか』と話したから、考えているようだ。おそらく、フランシスが今話したいくつかのことはうまくいかないだろうから(一同笑)最終的にはこっちへ来ることになるだろう」
というわけで、最後まであげ足はとるわ、通訳の間は何かしゃべってるわの愉快な2人。アンソニーの話をフランシスはうなずきながら聞いてるけど、フランシスの話が長いとアンソニーが必ず茶々を入れて来ます(笑)。年齢も同じだし、共演も多いだけに、やはり仲がいいんでしょうね。インタビューよりもさらにふざけている、爆笑記者会見、爆笑舞台挨拶の様子も続けてどうぞ。
(2008.11.2 ホテル西洋銀座にて、4媒体合同インタビュー)
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