『悲情城市』の街・九[イ分]
3年ぶりに台湾へ行ってきました。今回は滞在期間が短かったにも関わらず、観光地としても有名だし、一体どんな雰囲気の場所なのか気になっていた九[イ分]まで足を運ぶことに。実質、土曜日の午前中だけというショートバージョンで、レッツ・ゴー!! 映画『悲情城市』の舞台となった九[イ分]ですが、作品を観たのは…はて?もう何年前だったか…(笑)なもので、記憶もオボロゲなままの出発です。
さて、その九[イ分]へは台北市内から直行バスが出ているので、今回はそれを利用。途中で乗り換えたりするのが嫌なワタシには調度好い。MRT板南線の忠考復興駅の1番出口を出てすぐのバス停から、直行バスに乗り出発。料金は70元(約260円)。安過ぎる…。
朝早かった為、朝食も兼ねて美味しいと評判の「順成蛋[米羔]」で、パンというか台湾菓子を買って乗り込むも、車内での飲食禁止。くっそ〜〜〜。それでもめげないワタシ。運転手さんからは見えないように、前の座席で隠れるようにしながらモソモソと食べつつ進行しました。(飲み物がなかったので喉に詰まりそうでしたが)
あいにく天候が良くなくて、更にこのバスが少々古めな上に、窓にはフィルムを張っていたので外の景色がイマイチよく見えずつまらない…くすん。どんどん山奥に進んでいき、地元のヒトたちが入れ替わり立ち替わり乗ってくるので車内は賑やか。香港人と同じように、冷房することで空気がきれいになると信じているのか、ヒトが増えていく度に温度が下がる気がします(@@)。ううう…凍えちゃう(@@)。
途中、基隆駅の前を通り過ぎ、海を眼下に山道を突き進むと、そこにはもう九[イ分]の街が! 1時間半程度のドライブ終了。わらわらとバスを降りて深呼吸。山の上から見下ろす海はとても雄大で、なんだか日本にいるような錯覚もしたりして。
さっそくプラプラと歩き始めると、聞こえてくるのは日本語。ああ、こんな朝早くから観光してるのって、日本人くらいなのか(笑)。若いお嬢さんグループや初老のおじ様おば様グループが、ところ狭しと探索チュウ。一目で観光客とわかる彼らに、細い道の両脇に延々と並んだお店の人たちが呼び込みしてます。あ、もちろんワタシたちにも、ですが。でも、ココの人柄なのか、みんなそんなに商売っ気ないというか、のんびりゆったりとしてる感じがしました(まだ目覚めてないだけだったのかも…笑)。
その後、「九[イ分]茶坊」という築100数年というとても風情のある茶芸館で、小雨の降る外の景色を見ながらのお茶タイム。日本語で流れるように茶葉の解説をしてくれるお姉さん。途中で止めると、またきっと最初から始めるに違いない!ってくらい、節になった口調がとても微笑ましく愉快。オーナーが描いたという絵ハガキを頂き、ゆったりとした時間を過ごしていたら…気づけば隣も奥もそのまた奥も日本人客。これだけ日本人がいると、けっこうウンザリ(おい)。
ガイドブックでよく見かけるあの階段の場所を通り、映画『悲情城市』ってこんなだったかしら?なんて思いながら、早々に九[イ分]の街を後にしたのでした。
平日でもすごく混むらしい九[イ分]。土曜でも午前中だとヒトは少ないですが、日本人だらけです(笑)。時間があれば、もっと奥の方まで散策できたのですが…。街並みも景色も人柄も、ゆったりとしてほっこりしてる「九イ分」。これでもっと日本人がいなければ…言うことないのになぁ(笑)。
(2005年12月23日)
text by あチョ●プロフィール
大分県出身。『好きなら突き進め』を胸に日々感動を求めてアジア各地をさ迷い中。
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