熱い血潮の韓国サッカー
2006年ワールドカップ・ドイツ大会が、あと1ヶ月にせまって参りました。サッカー好きにはたまらない季節になりましたねぇ。ドイツまで足を運ぶサポーターの皆さんは、気もそぞろなのでは? かく言う私も、実はサッカー好き。スタジアムでピッチに立つ選手と同じユニを着て声援を送るだけで、妙な興奮と感動に包まれてしまいます。
そもそものきっかけと言えば、2002年日韓共催W杯。それまでは、サッカーなんて興味もなければ、ルールすらわからないような状態だったわけで。そんなサッカーオンチの私が、なぜこんなにもサッカーに惹かれてしまうのか…それは韓国のおかげなのです。あの時の韓国代表&韓国サポーターの勢いたるや、すさまじいものがありました。ソウルの市庁舎前を真っ赤に染めて歓喜にあふれる姿は、日本でも幾度となく紹介されていましたね。
当時は韓国だけでなく、日本でも寝ても冷めてもW杯の話ばかり。たまたま点いてたTVで、たまたまやってた韓国−アメリカ戦。長髪のなかなか美男子選手(安貞桓)がゴールを決めていました。「へ〜、韓国にもこんなタイプの人がいるんだ」韓国人らしからぬ(?)風貌に少々とまどいつつも、躍動的な選手達の華麗で力強いプレーに魅了され、数日後、更なる運命的な出会いを遂げることになるとは、思ってもいませんでした。
それは、韓国−ポルトガル戦。この日はすでに、キックオフから見始めていました。対アメリカ戦での手に汗握る興奮が忘れられなくて(笑)。そこで、ついに出会ってしまうのです。ゴール前で1トラップし、綺麗に切り返してそのままダイレクトにシュートする、まるで中学生のような表情の選手に! あまりの美しさと見事なゴールシーンに、気づいた時には立ち上がり、ガッツポーズの私(笑)。
サッカーど素人の私でもわかります。あのゴールの素晴らしさ! あんなプレーを見せられた日にゃ好きにならないはずがない! 素晴らしい世界を見てしまった! スポーツでの感動で涙が溢れるなんて! ああ、朴智星選手よ、ありがとう!…というわけで、それからの私はサッカーの虜になってしまったわけです。完全にW杯デビュー(笑)。
聞けば、私をサッカー世界へ導いてくれた朴選手は、京都パープルサンガに所属(当時)。日本にいるなんて、なんてラッキーな! そして、スタジアムまで駆けつけ、同じユニを着て応援するまでになってしまうのです(笑)。そして、とうとう韓国はソウルまで、対日本との親善試合までも見に行くことに。
非国民と言われようと構うものか、私は赤いユニを着て応援するのだ!と、心に決め、明洞の街から韓国ユニを着て闊歩しながらスタジアムまで出かけると、元来がフレンドリーな韓国人は皆とても親切で、優しく声をかけてくれるのです。ユニには好きな選手名を入れているので、誰のファンなのかすぐにわかります。お互いの好きな選手名を連呼したり、会ったばかりなのに一緒に記念撮影をしたり、顔にペインティングしてもらったり。サッカーを通して、いとも簡単に熱い韓国人と触れあうことができるのです。ああ、これぞ国境を越えた瞬間。
試合後、燃えたぎった体には肉!焼肉だろ!ってことで、入った店が有名人御用達の店。たまたま、同じく試合後に来ていた韓国代表選手がいて(!)、韓国ユニ着たまま肉をむさぼってる私たちに、明るい店主は「ちょっと待ってろ!」と、なんとその選手を連れてきてくれたのでした! 私たちの興奮ぶりといったらもう、半端なかったことでしょう(笑)。日本では先ず、あり得ない話じゃ〜ないですか。熱い血潮の韓国だからこそ、の嬉しい遭遇です。
日本人にはない燃える魂の持ち主、韓国人。そんな韓国人のサッカーに惹かれてしまうのは、やはり私たちにはないその熱さをどこかで羨ましく思っているからなのかも。みなさんもぜひ、いつか韓国サッカーを「スタジアム」で観戦してみてください。ハマること請け合いです!
(2006年5月14日)
text by あチョ●プロフィール
大分県出身。『好きなら突き進め』を胸に日々感動を求めてアジア各地をさ迷い中。
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